漁師

漁師の仕事について

漁師の仕事内容はとにかく魚介類を獲ること。

漁業の種類にはいくつかあります。

○沿岸漁業
日帰りで帰れるような、それほど遠くない近距離で行う小規模な漁業。
小さな船で船員は1～2名程度で、家族経営をしているところが多い。
日本の漁師のほとんどは沿岸漁業に従事している。（8割以上）
かなりの種類の魚が捕れる。

○沖合漁業
200海里水域内を数日かけて漁を行う、沿岸漁業と遠洋漁業の中間の漁。
企業体で活動している事が多く、外国人も多い。
10トン以上の漁船で数日掛かりで行われる。
サケ･マス流網漁業、サンマ棒受網漁などがあります。

○遠洋漁業
排他的経済水域を越えるような遠距離まで出漁し、1ヶ月から1年以上かけて漁を行う。
使用する漁船は大型船であり、関わる人の数は最も多い。
外国人も多く従事しています。
マグロやカツオがメインの漁業。
長期にわたる航海には強靱な精神力と、体力、仲間の船員との協調性が重要となってきます。

漁師は常に危険がつきまといます

漁は常に危険と隣り合わせ。
網を引き上げている最中に指を落とすこともあれば、冬の海に投げ出されることもあります。

勤務状況について

勤務時間は朝早くであったり、夕方から翌朝までであったりと漁をする魚の種類によって様々。

基本的には朝早くに出港し、昼過ぎには一日の仕事が終わります。
※早朝に出港するのはその時間に魚が獲れやすいため。

『沿岸漁業』の場合
朝4時くらいに出港し、漁場で漁を開始。
9時くらいに帰港し、魚の出荷作業。
昼ご飯を食べた後に、網のメンテナンスなどを行い、昼の2時くらいには一日の仕事が終わります。

休日は取り決めによって決められている休み以外は、漁に出る出ないは自由。
一般的には魚の漁獲高、収入に応じて休みを調整するようです。

漁に出ていない間は家でゆっくりとくつろいで・・いるわけではなく、漁船のメンテナンスや網のメンテナンス、漁協の活動などもしなければなりません。

漁師になるには

漁師になるには企業と個人の違いこそありますが、とりあえずは漁師の募集に応募し採用される必要があります。

年齢は若い方が好まれ、あまりに高齢者になると就職が難しくなります。
「小型船舶操縦士免許」など船を操縦する免許があれば、優遇される事もあります。

就職について

水産系企業であれば就職、個人ならば弟子入りの形になります。
全国漁業就業者確保育成センターで採用情報が掲載されているので参考に見てみよう。

水産高校について

漁師になるための進学先として、水産高校があります。
水産高校では漁業の基礎や水産物の知識、船舶免許を取得するための知識を修得することができます。

収入について

遠洋漁業・沖合漁業などは魚価も良く、比較的収入は安定していますが、沿岸漁業は収入が少なめで不安定になりがちです。

収入は漁の種類や魚の種類、漁獲高によって左右されますが、上は年収数千万円クラスから下は、一般的なサラリーマン程度。
漁師の平均年収は200万円強とのデータもあります。

マグロ漁船は高収入？

昔は借金の肩代わりに、「”マグロ漁船”に1年ほど乗ってこい！」との脅し文句がありましたが、現在ではマグロ漁船に乗ったとしても、莫大な借金を1年で返済できるほどの収入にはならないそうです。

「員級Ｂ」（1年～2年目の新人）
１～２年間就労していただきます 月額約３０万円～３４万円
年収ベースで３６３万円～４１０万円

「員級Ａ」
月額約３８万円～４２万円
年収ベースで４５０万円～５１０万円

「海技士」
海技士を取得すると航海士になることができます （一等航海士）
月額約４８万円～５８万円
年収ベースで５８０万円～６５０万円
乗船から約５年位でこのクラスにまではなれる。

「船長」
月額約６４万円～７２万円
年収ベースで７７０万円～８６０万円

「漁労長」
マグロ漁船の全てを統括する最高責任者
月額約９０万円～１０４万円
年収ベースで１０７５万円～１２４０万円

※岩手県遠洋まぐろ漁業者協会ＨＰより

今のマグロ漁船の船員はほとんどが外国人で、日本人は少数。
そもそも船員の募集自体があまり無く、知識や能力のない人がいきなり船に乗せられるような需要もありません。