職業ガイド>職業インタビュー一覧>人形作家・造形師 Asuka Laurentさん
Asuka Laurentさん(作家名)
栃木県出身
平成2年5月生まれ
宇都宮文星女子高校で美術の基礎を学び、文星芸術大学卒業。
現在は、人形作家としてフリーランスで活動している。
-1日の流れはどのようなものになりますか?
原型制作期間はとても自由にやっています。
顔や体の原型を専用の粘土で作っては削りの繊細な作業なので、気持ちが乗ってるときでないと良いものが作れません。
型取りから仕上げまでの期間は、朝8時から作業開始して休憩をはさみつつ、23時ぐらいまでずっと作業をします。
-1日の勤務時間や残業、休日の状況は?
1日の勤務というか作業時間は10~12時間ぐらいですね。
休みは週3です。
イベントや個展の前、締め切り前は1日18時間、週休1日ぐらいになります。
仕事内容はハードです。
-人形作家・造形師になるまでの経緯を教えて下さい?
大学でイラストを学んでいたのですが、デッサン力を向上させるため同大学で彫刻を学んだのがきっかけです。
造形することの楽しさを知り彫像や人形創りに目覚め、今にいたっています。
カフェの一角で個展を開いたりイベントなどに出て、現在はオーダーメイドで人形創りをしたり、委託されてフィギュアやコスプレ小物の原型造形師をしたりと、フリーランスで人形作家・造形師をしています。
-収入状況を教えて下さい。
60cm人形一体あたり、素材にもよりますがキャストドールやフィギュアのようなレジン樹脂という素材の物で6~12万円。
ビスクドールや粘土人形は15~80万円
レジン製は量産でき、分類も玩具なのですがビスクや粘土製は基本的に一点物なうえ、芸術作品扱いなので値段が上がります。
有名作家のビスクドールは大体50~200万くらいでしょうか。
フィギュアやコスプレ小物は5千円~3万円でやっています。
作品が売れたりオーダーがはいれば月収15万~30万前後です。
(売れっ子作家は教室をもって新人指導もしてるので月50~80万以上は稼げてますね)
わたしはまだ売れっ子作家ではないですので一人、自営業です。
-人形作家・造形師のやりがいを教えて下さい。
たとえ作品が見向きされなくても物を創造するのはとても楽しいですし、大変な分、つくり上げれば達成感もあります。
最初は見向きもされなくて売り込むのも大変ですが、作品を世に出した時(イベントなどで)ひとりでも『きれい』とか『好き』と言ってもらえるのがやりがいですね。
-人形作家・造形師の苦労点・難しさを教えて下さい。
あまりメジャーな職業ではないので重要に対して供給する側が少なく作家デビューできる確率は高めです。
ですが、この業界は30年来の熟練の作家さんが多く、売り込むのが難しいのです。
造形がすごく上手い人しかいないので、まず造形力がないとついていけません。また、個性も必要です。
造形力は大学や、きちんとした彫刻家のもとで学べば大体3年位で身につくと思います。
人形創りは人形作家か本で学べばいいのですが、造形力やデッサン力は彫刻家(肖像などリアルに作れる)に学ぶことをお勧めします。
造形がおかしいのを『個性』や『作風』というのは言い訳。
人体構造の理解には苦労します。美術解剖学の勉強から逃げられないのも難しいところです。
-どんな人が人形作家・造形師に向いていると思いますか?
手先が器用で集中力と探究心がある人。
自分の限界を作らず向上する意志が強い人です。
-これから人形作家・造形師を目指す人に対してメッセージを-
造形であれ絵であれ、創造者は神様になったつもりで自分を信じて自分の世界を作り上げていってほしいです。
諦めずに!
時間はかかっても、やっていくうちに腕が上がり自然に上達もします。
『信じていれば夢は叶うもの』が私の座右の名で、ディズニーの永遠のテーマです。
諦めず何年もやりつづけた人は必ずプロになっていますよ!
※人形作家のなり方
1、作家のアトリエに弟子入りする。教室に通う。
これが一番の近道です。
上手くなれば、先生の開く個展で一緒に展示してもらえたり、生徒作品展を開催してもらえるメリットがあります。
ある程度の知名度がすぐに得られる事も大きい。同時にコネクションも増えます。
2、独学で学び、公募展に出展したり、ネットでオーダーメイドショップを開業する。
作品をネット上で販売したり、ホームページを作りオーダーメイドで注文を受け付けます。
知名度が上がるまでは苦労しますが、仕事のペースなどはかなり自由。