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なるには難易度 | 大学卒業後、法科大学院に進学し、難関の司法試験に合格する必要がある。 司法試験は日本でトップクラスの資格試験であり、合格はかなり難しい。 |
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年齢制限 | 制限なし。 |
学歴 | 法科大学院への進学には、基本的に大学卒業が求められる。 |
収入状況 | 基本的に弁護士の収入状況は良好。 平均年収は約640万円(平成24年)。 ただ、新人弁護士の平均年収は300万円程度といわれています。 |
弁護士とは
弁護士とは法律の専門家として、紛争やトラブルについての相談にのり解決策をアドバイスする専門職。
代表的な仕事の一つに、裁判の場で依頼人に代わっての弁護活動があります。
※一部例外もありますが、上記のような行為は弁護士にのみ認められています。
日本の弁護士の数は約30450人(2011年)
弁護士は東京や大阪など大都市に集中する傾向にあり、2大都市だけで日本の弁護士の60%を占めています。東京:約14000人、大阪:約3500人。
仕事内容について
弁護士の仕事は、その法律知識を生かして依頼人やその他の権利・利益を守るべく活動することです。
よく知られた活動の一つに裁判活動がありますが、裁判には刑事裁判と民事裁判があり、そのどちらにおいても弁護士は活躍します。
犯罪を犯した者に罪を問うのが刑事事件。
例えば、「強盗事件」や「傷害事件」などがこれにあたります。
民事事件とは、隣近所のいざこざや金銭の貸し借りのトラブルなど、人と人の間で起こる問題のことをいいます。
その他では、トラブルを抱えた依頼人の個別の法律相談に応じたりもします。
企業に対して活動する場合には、企業間でのトラブルを法律的に処理したり、M&Aなどの難解な案件において、その法律知識を生かしてプロジェクトのブレーンとして活動することもあります。
勤務時間について
勤務時間は流動的ですが、基本的には忙しい場合が多い。
所属している事務所、抱える事件の数や大きさなどによって左右されます。
どの弁護士も同時に数十件の事件を抱えているのが一般的。
[なりかた1]
大学を卒業
法科大学院入学・卒業
司法試験受験資格獲得
司法試験受験
司法試験合格
司法研修所で1年間研修
弁護士
[なりかた2]
司法試験予備試験合格
司法試験受験資格獲得
司法試験受験
司法試験合格
司法研修所で1年間研修
弁護士
弁護士になるには
弁護士になるには、主に2つのルートがありますが、どのルートを選ぶにしても司法試験の合格が必要です。
[なりかた1]大学を卒業後、法科大学院に進学し、司法試験に合格。
[なりかた2]司法試験予備試験に合格し、司法試験を受験・合格する。
2つの中では、[なりかた1]のルートが一般的なルートです。
大学を卒業とありますが、卒業学部は法学部でなくても問題ありません。
学士資格(大学卒業資格)を取得していればOK。
法科大学院に入学後は、その大学院で2年間ないし3年間を過ごします。
※2年間は法学既習者コース、3年間は法学未習者コース。
法学既習者とは法学部出身者のことを指しているのではなく、各法科大学院が既習者であるかどうかを認定するために実施する試験に合格した人のことを言います。
合格者は既習者コース(2年間)に進むことができます。それ以外の人は3年間。
【司法試験について】
司法試験は年1回の試験を5年間受験することができます。
平成24年 受験者:8387人 合格者:2102人 合格率:25.06%
平成23年 受験者:8765人 合格者:2063人 合格率:23.54%
司法試験に合格後は埼玉県の和光市にある司法研修所で1年間の修習生生活を送り通称「二回試験」(卒業試験のようなもの)と呼ばれる試験に合格し、やっと法曹三者になることができます。
進学先について
大学進学先の学部は、できれば法学部にすべきでしょう。
司法試験、法科大学院への入学には出身学部は問われませんが、やはり法律知識を学習できる法学部の方が何かと都合がよいのは言うまでもありません。
実際、法科大学院進学者の半数以上は法学部出身です。
就職と独立について
司法研修所修了後、弁護士希望者は主に弁護士事務所に就職します。
多くの人は、事務所に所属し、先輩弁護士に仕事を教えてもらいながら働く、通称、居候弁護士「イソ弁」として活動することになります。
しかしながら・・・、現在、司法試験の合格者が増加し、弁護士事務所の需要を超える多くの新人弁護士が誕生したことによって、新人弁護士の就職先の確保がかなり厳しくなっています。
新人弁護士の場合はどこかの弁護士事務所に雇用され、経験・実績を積みながら給与をもらう通称「イソ弁(居候弁護士)」が一般的な形でしたが、合格者の急激な増加の影響で事務所に就職することができず、法律事務所の一角を借りて個人で仕事を獲得し活動する「ノキ弁」や、自宅で開業する「タク弁」、資格取得後、即、独立開業する「ソク弁」など不安定な労働形態が増加傾向にあります。
経験や仕事獲得のルートも不十分なままに活動する上記の労働形態の収入状況は芳しくないようです・・・。
その他には企業内で活躍する企業内弁護士も増加しています。
今までは、企業が弁護士を採用することはあまりありませんでしたが、弁護士増員に伴う就職難の影響で増加傾向にあります。
弁護士とお金の関係
弁護士ににチャレンジするには結構なお金が必要になることにも注意しておきたいところ。
◇大学卒業の費用(300万円~500万円程度)
◇法科大学院の費用(1年あたり100万円から300万円前後。それを2年or3年)
◇司法試験合格後、司法研修所での研修があるがそれらの生活費は自腹(1年間)
収入状況
ほとんどの人が弁護士事務所に勤務しています。
中には一般企業に就職し、その能力を生かしている弁護士もいます。
弁護士事務所を開設、独立開業する場合でも、ほとんどの人は新人時代はどこかの法律事務所に就職し経験を積んでから独立します。
資格取得後いきなり独立開業する人も存在していますが、割合は多くはありません。
(元極道で有名な大平光代弁護士は、いきなり独立組)
弁護士の平均年収は約640万円(平成24年)。
※賃金構造基本統計調査より。
事務所を経営するボス弁護士になると年収数億円を稼ぎ出す弁護士も存在しています。
平成24年 項目 | 男 | 女 | 合計 |
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平均年齢 | 32.7歳 | 43.0歳 | 37.8歳 |
勤続年数 | 4.4年 | 3.8年 | 4.1年 |
労働時間 | 166時間 | 168時間 | 167時間 |
超過実労働時間 | 0時間 | 0時間 | 0時間 |
平均月収 | 63.3万円 | 37.4万円 | 50.5万円 |
平均賞与(ボーナス) | 47.5万円 | 24.7万円 | 36.2万円 |
平均年収 | 807.1万円 | 473.5万円 | 642.2万円 |
-更新13-01-01 -チェック16-09-01