職業ガイド>金融・ビジネス系職業>た行の職業>デイトレーダー
なるには難易度 | 証券会社に口座を作り、資金を入金すれば誰でもなる事が出来る。 |
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年齢制限 | 未成年でも取引が可能な証券口座もあり、年齢による制限は無い。 ただし、デイトレードには少なくとも数十万円は必要になるため、小学生や中学生では親の協力がないと難しい。 現実的な年齢制限は十分な時間のアルバイトができる大学生くらいからになる。 |
学歴 | 学歴による制限はない。 |
収入状況 | 上は年収数十億から、下はマイナスまでとデートレーダーの収入は運用成績次第。 |
デイトレーダーとは
デイトレーダーとは1日以内、又は数日間の短期の株式売買によって運用益を上げている人のことを言います。
また、株式投資のみで生活している人のことを専業トレーダーといいます。
デイトレーダー・専業トレーダーとして生活している人数などは不明ですが、近年の株式ブームの影響で増加傾向にあります。
なぜこんなにデイトレーダー・専業トレーダーが増えてきているのか?
主に以下の理由が挙げられます。
・手数料の自由化により証券会社の手数料が安くなった。
・パソコンが普及した。
・高速ブロードバンドが普及した。
・プロ仕様レベルのチャートソフトを証券会社が提供。
【関連用語】
◇デイトレード (一日以内のトレード)
◇スイングトレード (数日間程度のトレード)
◇長期投資 (数ヶ月、年単位のトレード)
仕事内容について
日本の株式市場で取引ができるのは9時~11時30分、12時30分~3時の約5時間。
その間はチャートとよばれる指標をチェックしながら、株価の変動を探り利益が上がりそうな株に注文を入れ売買を行います。
株式市場が開催している間は、基本的に誰とも話さずにひとりで過ごすことが多いようです。
強靱な精神力が必要
利益が出ている時は何の問題もありませんが、時には、大きく負債が膨らんでしまうこともあります。
凄腕のデイトレーダーともなると、利益も損失も億単位になります。
勝っていようとも負けていようとも、慌てず冷静に売買ができる精神的な強さがないと勝ち続けることは難しいのです。
【デイトレードをするために必要なもの】
◇パソコン
より円滑にデイトレードをするなら、閲覧用と注文用の2台以上は必須。
◇液晶モニタ
3台以上は必須。
凄腕のデイトレーダーは10台以上の液晶モニタを使用する。
◇光ファイバーやADSL等の高速ブロードバンド
現在では少なくなりましたが、ADSLやダイヤルアップなどは通信速度が遅いため、秒で注文を争うデイトレードには向かない。
0.1秒の差で約定・非約定が決まることもあります。
光回線の中でも回線の太い最速の仕様が好ましい。
◇証券会社の口座
現在では誰でも簡単に口座を開くことができる。
デイトレーダーが注目される様になった事件
デイトレーダーが注目されるきっかけとなった有名な事件にジェイコム株誤発注事件(2005年)があります。
その事件で1日に20億円利益を上げたことで、有名になった「B・N・F」さん(当時28歳)は職業上は「無職」になります。
ただ、彼のしていること、デイトレーターがしている作業は金融機関に所属している運用部の「機関投資家」とほとんど同じ事を行っています。
ですが、企業に所属していれば「社員」、個人で投資すれば「無職」と社会的立場には大きな違いがあります。
資産100億円以上もある「B・N・F」さんは社会的には「無職」であるがために当時はクレジットカードが作れなかったそうです。
デイトレーダーの生活、1日のスケジュール
株式市場が始まる9時までに起床して、情報を得るためにアメリカの株式ニュースを見たり、日本経済新聞を読む。
朝の時点でアメリカの株価が下がっていると日本の株価も同様に下がる。
逆に上がっていると日本株も上昇しやすい。
日本とアメリカの株式市場は密接な相関関係があるため、トレーダーはアメリカの相場を注視する人が多い。
デイトレーダーは短期売買のため、企業業績よりも地合の善し悪しの方が重要になる。※地合とは相場の雰囲気
株式市場が開く9時から11時30分まで取引。
11時30分から12時30分までの市場の休憩に合わせて、昼休憩。
12時30分から15時まで取引。
15時には一日の仕事が終わる。
ある程度の資金で証券会社に口座を開く
デイトレードを行う
デイトレーダー
デイトレーダーになるには
デイトレーダーになるのは簡単で、証券会社に口座を開設してデイトレードをすれば形上はデイトレーダーになることができます。
実際のデイトレードでは証券市場が開催されている時にいつでも取引ができる状態にしておかなければならないため、必然的に「専業」の形にならざるをえません。
不可能ではありませんが、サラーリマンでは条件的に厳しくなってきます。
時間に融通の利く、主婦やフリーター、無職の方に向いているのかもしれません。
資金について
個人で始める場合は資金は数十万円から200万円くらいが一般的な金額。
ただ、株取引は資金量が多ければ多いほど有利であるため、資金は豊富にあった方が勝率は段違いに上がります。
デイトレーダーとして生活費を稼ぎ出すには最低でも1000万円以上、安定的な運用を考えるなら億単位の資金は必要になります。
デイトレーダーの税金について
デイトレーダーの株式投資による利益は1年間(1月1日~12月31日)の譲渡益と譲渡損がまとめられます。
そして、その最終金額に対して税金(20.315%)が発生します。
仮に2019年の収益が1000万円だとすると、約200万円を税金として納めます。
証券口座には「特定口座」という口座があり、自動的に計算が行われ証券会社が代行納税します。
そのため、基本的にデイトレーダー自身が納税をすることはありません。
※源泉徴収無し、損失繰り越し、配当などを除く。
ちなみに、一般的に事業所得や給与所得で収入を得た場合、最大で40%ほどの税金がかかりますが、株式投資の場合はいくら稼いだとしても20.315%しか税金はかかりません。
収入について
デイトレーダーの収入はそのトレーダーの能力によってさまざま。
年収数億円の人もいればマイナス収支の人もいます。
デイトレーダー 成功者の例
B・N・Fさん
ジェイコム株誤発注事件で1日に20億円の利益を上げたことで、有名になった「B・N・F」さんの投資実績はわずか7年あまりで180億円。
2000年10月 アルバイトなどで貯めた164万円で株式投資を始める。
2000年末 その資金を運用し資産280万円に
2002年5月 1億円達成
2003年末 2億7000万円達成
2004年末 10億円達成
2005年末 80億円達成
2006年末 約160億円
2007年末 約180億円
その後は秋葉原にビル一棟を購入するなど、様々な分野の投資家として成功し続けているようです。
2019年現在、大量保有報告書(株を大量に持っている人は提出する義務がある)や所有不動産の状況から現在ではその資産は数百億円になるともいわれています。
cisさん
法政大学4年時に投資を始めて、18年で230億の資産を生み出したcisさん。
この方もB・N・Fさんと同様に伝説的なデイトレーダーです。
2000年:104万円
2001年:800万円
2002年:300万円
2003年:6000万円
2004年:3億円
2005年:30億円
2006年:42億円
2007年:50億円
2010年:100億円
2013年:120億円
2014年:160億円
2015年:200億円
2018年:230億円
cisさんは2013年には約1兆7000億円の日本株を売買。
この年の東京証券取引所での個人投資家による株式取引の0.5%に相当。
上記の2人はわかりやすい成功者ですが、その他にも世に知られていないだけで年収数千万円レベルのデイトレーダーならごまんと存在しています。
※証券会社関係者談
失敗者の例
2006年に「ライブドアショック」と呼ばれる株式暴落がありました。
当時、一世を風靡していたIT企業「ライブドア」が証券取引法違反の疑いで強制捜査になったことに端を発して株価が大きく暴落した事件です。
このライブドアショックの影響で株価が急落したために7000万円以上あった資産をすべて失い、更に数千万円の借金を負った人もいます。
※証券会社から株式を借りて取引を行う「信用取引」を利用していたために、莫大な借金を背負うことになりました。
2008年に発生した「リーマンショック」でも、多くの破産者がでました。
※サブプライムローンの影響でリーマンブラザーズが破綻し、そこから世界不況になった。
上記の2例ほどの大暴落でなくても、数ヶ月に1回ほど起こる暴落だけでも相当数のデイトレーダーが「退場」になっている現実は知っておいた方が良いでしょう。
デイトレーダーは負ける人の方が多い
デイトレーダーは資産を増やしている人と減らしている人、どちらが多いのか?
正解は「資産を減らしている人、負けている人が多い」です。
証券会社が保有する個人口座全体でみると、資金が増える人よりも減る人の割合が高いそうです。※証券会社関係者談
株式市場では資金量の多い機関投資家などが市場の流れを作り出して、確実に利益を上げてきます。
もちろん、機関投資家も短期的には資金を減らすこともありますが、莫大な資金量がある投資家の方が市場では絶対的に有利なのです。
デイトレーダーは、その荒波の中で少ない資金量で闘うわけですから、どうしても分が悪くなり負ける割合が高くなってしまうのです。
数百億円稼ぐ人がいるということは、数百億円分、誰かが損をしている訳です。
デイトレーダーは夢の大きい職業ですが、リスクもかなり大きい職業といえます。
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