職業ガイド>マスコミ・芸能系職業>た行の職業>タカラジェンヌ
なるには難易度 | 宝塚音楽学校の入学倍率は約20倍。 ほとんどの受験生が何年も前からタカラヅカ受験対策バレエスクールなどに通い合格を目指す。 スクールに通えるだけの家庭環境と恵まれた容姿も必要であり、努力だけではどうにもできない側面も。 |
---|---|
年齢制限 | 高校卒業まで。 |
学歴 | 必要なし。 |
収入状況 | タレント契約に切り替わるまでは一般のOL程度。 |
タカラジェンヌとは
「タカラジェンヌ」とは宝塚歌劇団の団員に対する愛称です。
タカラヅカは未婚の女子だけで構成された歌劇団で独身女性しかタカラジェンヌになることはできません。
(残念ながら男性は不可。また、結婚する時は退団しなければならない。)
タカラヅカには花組・月組・雪組・星組・宙(そら)組の5組があり、その他にどの組にも所属せず、どの組にも出演できる「専科」というグループもあります。
仕事内容について
タカラジェンヌの仕事は宝塚大劇場や東京宝塚劇場などの舞台に出演し、華麗に歌を歌い、ダンスを踊ることです。
タカラヅカの舞台には男役と娘役がありますが、タカラヅカのメインは何と言っても男役。
女性であるタカラジェンヌが魅力的な男性を演じるところが、タカラヅカの大きな見所のひとつなのです。
そのため、タカラヅカの作品では『絶対に』女性が主役になることはありません。
強引にストーリーの設定を変更してでも、男役のトップをいかに格好良く目立たせるか、を焦点に作品がつくられます。
その結果、原作では主役でないはずの人物が舞台ではトップスターの演じる主役になっていたりする事も珍しくありません。
タカラジェンヌについて
タカラヅカには、男役・娘役の各トップスター、男役・娘役2番手~その他大勢の人々、、と明確な序列が存在していて、より良い役へのステップアップは人気や実力によって決定されます。
歌がうまい、ダンスがうまいだけではダメで、スターとしての華やオーラが重要視されるそうです。
タカラジェンヌである以上、良い役が欲しいのは誰もが思うところ。
舞台上での見事なチームワークとは裏腹に、その裏では熾烈な出世レースが行われているといいます。
男役・女役について
ちなみに自身が男役として活動するのか、娘役で活動するのかは宝塚音楽学校時代に自身で決定します。
自分で決めるといっても、身長170センチもある人が娘役になる事は無理があるように、自分の容姿や身長などの適性をみて、男役か娘役かを決めていくそうです。
舞台に出演する際は舞台で映える派手な化粧を施していますが、メイクの技術もタカラジェンヌとしての大事な能力の1つで、メイクは自身で行っています。
タカラジェンヌのその後
タカラジェンヌとして経験を積み、トップスターに登りつめた後は芸能界へ転身したり、一般人になったり、結婚したりと基本的に退団する事になります。
退団をせずに特定の組に所属しない生徒の集団である「専科」に移籍して活躍し続ける方もいます。
もちろん、トップスターに登りつめることなく退団するタカラジェンヌがほとんどです。
宝塚出身の女優・タレント
引退後に芸能界で活躍する人も多く、多くの女優・タレントを輩出しています。
◇大地真央 (月組トップスター):女優
◇天海祐希 (月組トップスター):女優
◇真矢みき (花組トップスター):女優
◇涼風真世 (月組トップスター):女優
◇一路真輝 (雪組トップスター):女優
◇大和悠河 (宙組トップスター):女優
◇黒木瞳 (月組トップ娘役):女優
◇檀れい (星組トップ娘役):女優
◇純名里沙 (花組トップ娘役):女優
◇はいだしょうこ (娘役):女優・うたのおねえさんなど
宝塚音楽学校に入学
卒業
宝塚歌劇団に入団
(タカラジェンヌ)
タカラジェンヌになるには
宝塚音楽学校に入学・卒業すれば宝塚歌劇団に入団、つまり、タカラジェンヌになることができます。
宝塚音楽学校には中途入学はできず、宝塚音楽学校の卒業生しか宝塚歌劇団に入団することができません。
入団直後は「研究科1年」、その後は研究科2年~6年となり、研究科6年目から歩合制のタレント契約に切り替わります。
(一般的に研1(研究科1年)、研6(研究科6年)と略されます)
宝塚音楽学校について
宝塚音楽学校の募集人員は約40名で倍率は例年20倍程度。
『東の東大、西のタカラヅカ』は宝塚音楽学校の難易度を表す有名な文句。
実際は東京大学と宝塚音楽学校の入学試験の倍率を比べると、宝塚音楽学校の方が難易度は高いと言えるでしょう。
※もちろん、難易度は倍率だけでは表すことが出来ません。
◇東京大学:5倍程度
◇宝塚音楽学校:20倍程度
試験に何度も落ちる人も珍しくなく、男役トップスターだった安蘭けいさんでさえも合格までに4回もチャレンジされています。
※ちなみに音楽学校は首席で卒業されました。
【応募資格】
・受験時に中学卒業あるいは高等学校卒業または高等学校在学中の者。
・容姿端麗で卒業後、宝塚歌劇団生徒として舞台人に適する者。
やはり、タカラジェンヌは人に見られる職業ですから、容姿端麗でなければならないようです。
入学には年齢制限があり、高校卒業後に浪人をして受験することはできません。
※宝塚音楽学校には高校を卒業していない人のために、高卒資格の取得ができる制度もあります。
入学試験では容姿やバレエの能力、歌唱力はもちろんですが、服装の乱れや髪の毛一本の乱れ、順番待ちをしている時の姿や表情などありとあらゆるところまでもが審査対象となります。
宝塚音楽学校の入学試験方法が2009年度から変更。
新しい試験方法は、一次試験で従来実施していた実技試験(声楽・バレエ)を廃止して面接試験のみに。
二次試験での実技試験についても基本的な能力を重視する試験内容に変更し、受験時点での完成度だけでなく、受験者の将来性、幅広い個性や才能、熱意等を審査する選考方法となりました。
試験方法変更により、声楽やバレエの初心者が入学してくることを想定し、宝塚音楽学校のカリキュラムも変更されています。
今までは、宝塚音楽学校に入学するには、全国各地に存在する「宝塚受験対策スクール」に通うことが事実上必須となっていましたが、これからは「素質重視」に変更され、スクールに通い、声楽やバレエの能力を高めることが合格の絶対条件とはならないそうです。
もちろん、声楽やバレエの能力が高い方が有利なのは間違いありません。
【試験方法】(2009年度HPより)
【一次試験】
○面接: 容姿、口跡、動作、態度、華やかさ、等を審査
一次試験合格者は、400名程度
【二次試験】
○面接: 容姿、口跡、動作、態度、華やかさ、等を審査
○歌唱: 課題曲の歌唱により、声量、声質、音程等を審査します
(従来行なっていた新曲視唱、コールユーブンゲンは実施しません)
○舞踊: リズム感など基本的な運動能力や柔軟性、ならびにクラシックバレエ習得に必要な能力等を審査します
二次試験合格者は、100~120名程度
【三次試験】
○健康診断
○面接
合格者は40名
○宝塚音楽学校スクール一覧
○KIEミュージカルスクール(東京)
○東京アートスクール(東京)
○諏訪ミュージカルスクール(京都)
宝塚音楽学校での生活
宝塚音楽学校では予科1年、本科1年の合計2年を過ごし、卒業後は宝塚歌劇団(研究科)に入団することになります。
音楽学校では声楽・バレエ・日舞など舞台で必要な能力を鍛えるための授業が行われます。
挨拶・生活態度など、すべてにおいて厳しく教育がなされ、歩き方や乗車する電車の位置まで決められています。
その規則の厳しさから、かつては女子士官学校と呼ばれていたことも。
◇上級生には絶対服従。
◇廊下や外の道は一番外側を2列以内で歩く。
◇バッジの角度や靴下を折るラインが決められている。
◇音楽学校の生徒は「つぼみ」なので咲いた花を生けてはいけない。
◇元宝塚劇団員で現宝塚歌劇団音楽講師の三矢直生さんは「音楽学校時代には細かい規則が1万個以上あった」と著書で述べられています。
音楽学校のほとんどの生徒は、宝塚市にあるタカラジェンヌ専用の寮「すみれ寮」で生活をします(自宅から通うことも可能)。
収入について
タカラジェンヌの収入は一般には公開されていません。
入団後は給与が支給されますが、その額はかなり少なく一般のOLと同程度の収入(10万円~)のようです。
ランクによって収入は異なり、トップスターで1000万円以上は支給されているといいます。
※タカラヅカ出身者の書籍やコメントなどから算出
駆け出しの頃は厳しい収入状況ですが、タカラジェンヌの親御さんともなるとお金持ちばかりで援助を期待できる人が多く、大きく生活に困ることはないそうです。
強烈なヅカファン
人気が出ればスポンサーや熱烈なファンからのバックアップが用意されます。
劇場や稽古場への送迎やチケットの取り次ぎ、果てはお弁当の手配までありとあらゆる身のまわりの世話をファンクラブが請け負ってくれるのです。
タカラヅカではファンクラブの組織体制が尋常ではなく、非公認の組織でありながら芸能事務所さながらのサポートシステムが構築されています。
宝塚歌劇団の元星組トップスターだった鳳蘭さんはタカラジェンヌ時代、食事をした時に自分で財布を出した記憶が無く、熱烈なファンの誰かが常に支払いをしていてくれていたそうです。
一般的には考えにくい話ですが、タカラヅカの世界ではそれが当たり前として成立する関係が存在しているのです。
-更新15-04-01 -チェック20-05-01