なるには難易度 | 手話の技能は専門学校や手話サークルなどで修得するが、実務で使用できるほどの手話スキルを獲得するには少なくとも3年以上は必要になる。 |
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年齢制限 | 特になし。 |
学歴 | 特になし。 |
収入状況 | 手話通訳士を職業として生活できる人は数十人程度。 ボランティアレベルで活動している人がほとんどで、収入的には厳しい職業。 |
手話通訳士とは
手話通訳士とは聴覚障害者や言語機能に障害を持つ人など、言葉を発声して思いを伝えることができにくい人に代わって、意思疎通のための手話通訳を行う人、職業のこと。
・手話通訳士資格取得者は約2800人。(2011年)
・年齢層は20代、30代、40代がほとんどで、9割以上を女性が占めます。
・手話通訳士、手話通訳者などと呼ばれる。
・同じ言葉でも、地域や年代によって意味が異なるように、手話でも地域や年代によって意味の違いがあります。
仕事内容について
手話通訳士は聴覚障害者や言語機能に障害を持つ人など、言葉を発してうまく意思の疎通がとれない人に代わって意志疎通のための手話通訳を行います。
通訳者が外国語を日本語に通訳する様に、聞き取りが出来ない・言葉を話すことのできない人と意志を伝えたい人との間で通訳を行います。
主に聴覚障害者や言語機能に障害を持つ人が対象になるため、健聴者に対してのものとは異なったコミュニケーションスキルが求められます。
また、手話通訳士は手話の能力が高ければ成立する仕事ではありません。
相手の意志を組み取り、第3者に伝えるには、幅広い一般教養や聴覚障害者に関する様々な情報も知っておかなければなりません。
それらが十分でなかった場合は、必要以上に通訳に時間がかかってしまったり、最悪のケースでは間違った意味の通訳をしてしまうこともあるのです。
職業病について
手話というのは身振り、手振りで相手に意志を伝えます。
手や肩、腰を頻繁に動かすため、身体に慢性的な疲労が蓄積し、痛みとなって現れることもあるそうです。
手話通訳士の約8割が肩こり、約2割が頸肩腕障害を発症しているとのデータもあります。(全国手話通訳問題研究会調べ)
※頸肩腕障害とは、一定の姿勢を維持したまま手を使用し続けることで、肩こりやしびれが発生し身体に異常をきたす障害。
20歳以上になる
手話通訳士試験を受験・合格
手話通訳士
手話通訳士になるには
20歳以上になり受験資格を取得し、手話通訳士試験を受験・合格すれば手話通訳士になることができます。
取得のための学習には、主に2つの方法があります。
◇専門学校に進学する。
◇手話サークルや手話の関連団体、自治体が実施する手話講座などに参加し学習する。
試験の難易度は高く合格率は例年30%くらいで、実務経験にして3年以上は必要だと言われています。
また、手話通訳士資格試験に合格すれば実務の通訳に十分な実力があるかといえばそうではなく、あくまでスタートライン。
資格取得後も日々、努力を続ける必要があります。
就職方法は人脈のツテをたどったり、少ないながらも公的機関などでの手話通訳士の募集に応募するくらいで、しっかりとした就職先はとても少ない状況。
【受験資格】
年齢が20歳(受験日の属する年度の3月末日までに20歳以上に達する者を含む)以上の者。
【関連リンク】 聴力障害者情報文化センター
受験者 | 合格者 | 合格率 | |
第23回 (平成24年1月) |
920名 | 182(18)名 | 19.8% |
第22回 (平成23年1月) |
863名 | 184(8)名 | 21.3% |
第21回 (平成22年1月) |
932名 | 311(25)名 | 33.4% |
収入について
手話通訳士の収入状況はかなり厳しい。
手話通訳士として活動するほとんどの人がボランティアレベルの収入で活動しています。
他に収入を得られる仕事をしながら活動する人がほとんど。
手話通訳士資格取得者は2011年の時点で約2800人いますが、手話通訳士専業で生活できるほどの収入を得ている人は数十人いるかいないかだと言われています。
-更新12-03-01 -チェック16-03-01