なるには難易度 | 歯科技工士養成校を卒業し、国家試験に合格すれば、なることができる。 国家試験の合格率は、ほとんど100%と難しい試験ではないため、やる気さえあればなることができる職業。 |
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年齢制限 | 特に制限はない。 |
学歴 | 歯科技工士養成校(大学・短大・専門学校)に進学する必要がある。 |
収入状況 | 歯科技工士の平均年収は約380万円。 |
歯科技工士とは
歯科技工士とは歯科医師の指示に応じて、口内で使用する人工の修復物である入れ歯や差し歯、被せものなどを製作する職業です。
歯科技工士として活躍している人の数は日本全国で約3万5000人。歯科技工所の数は約19500カ所。
歯科技工士業界は圧倒的に男性が多く(8割以上)、最近は増加傾向にありますが女性はまだまだ少ないのが現状です。
収入の低さやハードな仕事内容から歯科技工士の人気は下降気味。
全国に60校以上の歯科医技工士養成施設がありますが、そのほとんどは定員割れが発生しています。
仕事内容
歯科技工士の主な仕事は、口内で使用する入れ歯や被せもの(クラウン)、矯正装置など口内で使用する人工の修復物を製作することです。
詰め物や差し歯を製作するために歯型を取る作業などは、基本的に歯科医師や歯科衛生士の仕事になります。
歯科技工士は取られた歯型をもとに、「義歯」「入れ歯」なのど歯科技工物を製作します。
歯は少しのズレでも違和感が生じるものです。
その為、歯科技工士さんには精巧な技術が要求され、日々の努力が要求される職業といえます。
作業場では粉塵が発生する場合も多く、鼻やのどが弱い人は注意が必要となります。
勤務状況
精密な作業であり、納期もあるため勤務時間は長くなる傾向が強く、仕事内容はとてもハード。
公務員のように9時~5時で帰宅できるケースは少ない。
歯科技工士の週の労働時間の平均は53.5時間(自営者:61.0時間、勤務者:48.3時間)
年間休日日数 91.5日(自営者:82.9日、勤務者:93.3日)
歯科技工士の就職先と離職率について
歯科技工士の勤務先には歯科技工所関係が80%、歯医医院が20%程度。
歯科技工所と歯科医院に勤務する人がほとんどですが、その他の就職先には病院や歯科機材メーカーなどもあります。
歯科技工士は需要の多い職業であり、資格を取得できれば就職先に困ることは無いでしょう。
ただし、歯科技工士業界は離職率も高い業界であることに注意が必要です。
過酷な勤務状況や収入の低さから離職率はかなり高く、20代の歯科技工士の離職率は75%とのデータがあります。
歯科技工士になるには
歯科技工士になるには歯科技工士養成校に入学・修了する必要があります。
歯科技工士養成校には大学・短期大学・専門学校がありますが、専門学校がほとんどで、多くの人が専門学校を卒業し歯科技工士になります。
養成校は基本的に2年で卒業。夜間コースの場合は3年で卒業となります。
養成校卒業後は歯科技工士資格を取得すべく、歯科技工士国家試験を受験します。
試験の合格率は90%を超えているため、養成校時代にしっかりと対策しておけば何ら問題のない試験といえます。
歯科技工士養成校を卒業=歯科技工士と考えても問題ないでしょう。
歯科技工士の需要は多く、資格を取得すれば就職はしやすくなっています。
収入について
歯科技工士の初任給は15万円程度が一般的。
歯科技工士の平均年収は434万円(平成24年賃金構造基本統計調査)。
収入の伸びしろはあまり期待できない状況で、収入的には若干厳しめの職業です。
平成24年 項目 | 男 | 女 | 合計 |
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平均年齢 | 40.2歳 | 32.6歳 | 38.3歳 |
勤続年数 | 12.8年 | 5.3年 | 10.9年 |
労働時間 | 170時間 | 169時間 | 169時間 |
超過実労働時間 | 13時間 | 14時間 | 13時間 |
平均月収 | 31.9万円 | 22.5万円 | 29.6万円 |
平均賞与(ボーナス) | 89.4万円 | 47.9万円 | 79.1万円 |
平均年収 | 472.2万円 | 317.9万円 | 434.3万円 |
独立について
歯科技工士は独立開業することもできますが、既に数多くの歯科技工所が開設されているため、新規での開業は難しくなっているといいます。
独立した場合の収入は営業力次第。
しっかりとした技術力・営業力のある歯科技工士ならば安定した経営が可能ですが、そうでない場合は厳しい状況になることも。
-更新13-12-01 -チェック16-12-01