なるには難易度 | 高校を卒業して歯科大学か大学の歯学部に入学する必要がある。 私立の歯学部の中には定員割れが発生しているような入学が容易な大学もあるが私立大学は総じて学費が高額。 学費の安い国公立大学は難易度が高い。 |
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年齢制限 | 歯科医師になるための年齢制限はない。 |
学歴 | 歯科大学・歯学部卒が資格取得の条件になるので、大学卒業以上が必須。 |
収入状況 | 歯科医師の平均年収は約680万円(平成24年)。 |
歯科医師とは
歯科医師とは歯の健康を維持するために、歯学の知識に基づいて、虫歯の治療や予防を行う「歯」専門の医者(医療従事者)。
歯科医師の現状について
現在、歯科医院の数は飽和状態といわれています。
廃業する歯科医院も増加傾向にあり問題となっています。
どのくらい歯科医院が多いか?
それはコンビニエンスストアや郵便局の数よりも多いのです。
(歯科医院:6万軒以上、コンビニ:4万店以上、郵便局:2万5千局程度)
歯科医師の数は10万人以上ともいわれていますが、いかに独立、開業している人が多いかがわかります。
女性の歯科医師
30歳以下の「若手」の歯科医師に限って見てみれば、実に全体の4割程度が女性で、30歳以上の歯科医師の女性の割合が全体の2割程度であることを考えると、女性の進出がめざましい職業といえます。
歯科医の仕事内容は手先の器用さが問われるものがほとんどであり、力が必要なケースは少ないため、女性向きの職業といえるかもしれません。
仕事内容について
歯科医師は虫歯の治療から、ブラッシングの相談まで歯に関することならあらゆる事を担当します。
【虫歯の治療・予防】
虫歯の歯を削り、再び虫歯にならないように詰め物をする。
また、虫歯になりにくいようにフッ素加工の処置を行う。
【矯正】
歯並びやかみ合わせを自然なものにするため、矯正器具を使用し歯列矯正を行う。
【審美】
ホワイトニングや歯列矯正などの処置を行い、歯を美しく仕上げる。
患者の争奪戦が激しくなっている
患者の争奪戦が激しくなっている中で、最近の歯医者さんの仕事内容はほとんどサービス業に近いと言われています。
当然、患者さんとのコミュニケーション能力が必要で、丁寧な対応や人当たりの良さなどが大変重要な職業。
「その先生の人柄が良いから通院する」というような人も少なくありません。
この歯科医師供給過剰の状況を生き抜くためには、一般的な歯科医から脱却し、得意分野を作ることが大事だといわれています。
勤務時間について
基本的に日曜日は休みで、土曜日は午前中のみのところが多い。
病院とは違い、開院時間外の急患対応もほとんどないため、規則的な生活をおくることができる職業です。※歯科医院による。
勤務時間は8時~20時くらいが一般的で、間に休憩時間が入るケースが多い。
(9時~13時、15時~20時など)
高校卒業
歯科大学・歯学部入学
(6年間)
卒業
歯科医師国家試験合格
臨床研修
(1年~)
歯科医師
歯科医師になるには
歯科医師には、歯学部・歯科大学(6年制)を卒業し、歯科医師国家試験に合格すればなる事ができます。
【大学について】
まず第一に歯科大学か歯学部(6年制)のある大学に入学する必要があります。
国公立の歯学部は難関で、どの大学に入学するにしても相当な学力が必要です。
私立の歯学部に関しては難関大学も存在しますが、偏差値にして50程度あれば合格できる大学も存在しています。
中には定員割れを起こしている大学もあり、私立の歯学部なら入学はそれほど難しくはありません。
ただ、私立大学の場合は卒業までの授業料や入学金などの費用に1000万円~3000万円位は必要で、普通のサラリーマン世帯からはなかなか進学することは難しいでしょう。
一般的な家庭状況の人が歯科医を目指す場合、金銭的な理由から必然的に国公立大学専願になります。(国公立大学は6年間で総額500万円程度)
大学生活は忙しく、年次があがり専門科目が増えるにつれ時間的な余裕が少なくなり、アルバイトなどもしにくくなります。
【歯科医師国家試験について】
歯科医師国家試験は簡単なものではありませんが、合格率は高く60%~70%程度。
しっかりとした受験勉強をしておけば合格は難しくないレベル。
各大学によっても合格率に差があり、国公立大学は平均的に高く、私立大学は低い傾向にあります。
この差は、大学の教育内容の差というよりも、国公立の歯学部が難関であり、学習能力の高い人材が集まりやすい事に起因していると考えられています。
【その後】
歯科医師試験合格後に1年以上の臨床研修を修了すれば、歯科医として活躍する事ができます。
収入について
勤務医の場合の平均的な月収は60~70万円程度、年収にして700~800万円くらいが平均的。
ただ、最近は需要に対して歯科医が過剰気味になっているため、収入に関する調査では5人に1人は月間所得25万円程度との寂しいデータもあります。
平成24年 項目 | 男 | 女 | 合計 |
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平均年齢 | 34.8歳 | 34.8歳 | 34.8歳 |
勤続年数 | 5.1年 | 4.0年 | 4.9年 |
労働時間 | 164時間 | 164時間 | 164時間 |
超過実労働時間 | 1時間 | 1時間 | 1時間 |
平均月収 | 52.7万円 | 45.6万円 | 51.2万円 |
平均賞与(ボーナス) | 69.3万円 | 46.1万円 | 64.5万円 |
平均年収 | 701.7万円 | 593.3万円 | 678.9万円 |
平成24年の賃金構造基本統計調査では、歯科医師の平均年収は678万円でした。
開業した場合は
開業した歯科医の場合は1000万円以上の高年収も珍しくなく(2007年度の開業歯科医の平均年収は約1500万円)、自由診療(保険を使わない診療)が多い審美歯科系の歯科医師の収入は更に多くなるとか。
開業に成功すれば収入は安定しますが、中にはお客に恵まれず、やむを得ず廃業又は、ワーキングプアーレベルの低収入での運営を余儀なくされている歯科医院も少なくないようです。
十分な収入が得られずに、廃業してゆく歯科医院も増加傾向にあります。
歯医者としての「腕」も必要ですが、これからの歯医者さんには何よりも「経営能力」が必要だといわれています。
-更新11-07-01 -チェック14-07-01