なるには難易度 | 養成所に入所した人で鑑別師になれるのは半数程度。 養成所への入所はそれほど難しくないため、なれるかどうかは自身の鑑別師としての適性次第。 |
---|---|
年齢制限 | 25歳以下。 |
学歴 | 初生ひな鑑別師になるには養成所への入所が必須となるが、入所資格として高校卒業以上の学歴が必要。 |
収入状況 | ひよこ一匹の鑑定料は4円~4円50銭程度で、平均年収は500万円から600万円程度だと言われている。 |
初生ひな鑑別師とは
初生ひな鑑別師とは生まれたばかりのひよこのオス・メスいずれかを見分ける技術者です。
ひよこの肛門部分にある特徴を手で触り、雌雄の判別を行います。
飛べないひよこのイメージからは想像しにくいのですが、鑑別師のほとんどは海外(主にヨーロッパ)で働いています。
なぜ、初生ひな鑑別師という職業が存在しているのか?
それはこの種のニワトリには卵を産むメスしか商業価値がなく、育てても無駄になることの多いオスをひよこの段階で選別するためです。
※オスの場合は食用・テキヤの商品など他の用途になる事もあるが、殺処分されてしまうことが多い。
仕事内容について
初生ひな鑑別師の仕事は、孵化したばかりのひよこの雌雄を鑑別することです。
生まれたばかりのヒナには性差が少なく見た目だけでは雌雄の鑑別はできません。
肛門の裏側にある1ミリほどの生殖突起を触り、突起物があればオス、無ければメスといったように判別します。
わずかな違いをわずかな時間で見極めなければならないため、鋭敏な指先の感覚が必要になります。
鑑別スピードはかなり速く、1匹あたりに数秒、1時間に1000匹以上を鑑別します。
活躍の場は海外が中心
日本にはあまり活躍の場がないため、基本的にほとんどの初生ひな鑑別師が海外に移住し、仕事を行っています。
仕事先はヨーロッパがほとんどで、その他ではアメリカやニュージーランドなどでも需要がありますが、割合としては少ない。
初生ひな鑑別師になるには
1.試験を受験し養成所に入所します。
入所試験を受け、合格すれば入所することができます。
試験の難易度はそれほど高くなく、高校新卒者であれば解答できるレベルの試験。
試験では何よりも本人のやる気が最重要視され、面接試験の結果が合格不合格を左右するそうです。
養成所の入学者数は例年10人~15人
養成所の入所資格は25歳以下であることが条件になっていますが、これは指の感覚が重要な仕事内容のために年齢制限が設定されています。
【養成所の入所資格】
◇満25歳以下。
◇高校卒業以上の学歴。
◇視力1.0以上(矯正可)。
2.鑑別師としての技術と知識を磨く講習を受ける(2ヶ月間or5ヶ月間)
3.予備考査
(鑑別率96%以上)
4.高等鑑別師考査
(鑑別率99%以上)
5.
初生ひな鑑別師(高等鑑別師)となる。
高等鑑別師考査に合格すれば
初生ひな鑑別師(高等鑑別師)になることができます。
養成所に入所した人の半数程度が最終的に初生ひな鑑別師になっています。
この職業で活躍するには、外国で現地人を相手にしっかりと意思疎通がとれるだけのコミュニケーション能力や一匹一匹を高速で鑑別できるだけの手先の器用さが求められます。
慣れない外国の地での生活や、一つ一つの作業をミス無く続けることができる精神的に強い人に向いている職業といえるでしょう。
なりやすい進学先などは特にありません。
【問い合わせ先】 畜産技術協会
収入について
あまり世間には知られていませんが、それなりの高収入が期待できる隠れた高収入職業。
一匹あたりの鑑定額はだいたい4円程度。
熟練者になると1時間当たりに1000匹以上判別できるため、時給で4000円以上が支給される計算になります。
年間の収入としては500~600万円程度が平均的で、年収300万円時代到来とも言われている中では悪くはない数字。
仕事先・就職先が日本にはあまりないのが現状で、需要のあるフランス・ドイツ・イタリアなどヨーロッパ諸国に行き、ヨーロッパ諸国で仕事を行うことが通常です。
つまり、日本ではなく海外での生活が必須条件。
海外の仕事の斡旋などは畜産技術協会が紹介してくれます。
-更新13-03-01 -チェック16-02-01