なるには難易度 | パイロットは年収も高く、いつの時代も人気の高い職業。 なるためにはいくつかのルートがあるが、どのルートを選択するにしても簡単になれる職業ではない。 |
---|---|
年齢制限 | 航空各社の規定次第。 ただ、あまりに高年齢だと難しい。 |
学歴 | 航空会社のパイロット新卒採用は大卒のみ対象となっている。 |
収入状況 | パイロットの平均年収は1151万円。 高収入が期待できる職業。 ※平成24年 |
パイロットとは
パイロットとは飛行機を操縦する操縦士の事を言います。
一般的な航空機のパイロットの他に、軍のパイロットや自家用飛行機のパイロットなどがありますが、職業ガイドでは旅客機のパイロットについて解説しています。
女性のパイロットはかなり少ない。
JALでは3100名のパイロットの中でその人数は15人(2009年)。
女性がパイロットになることはかなり難しいようです。
仕事内容について
パイロットの仕事は機長と副操縦士の2人で飛行機(主に旅客機)を操縦し、安全に目的地に到着させる事です。
出発前には気象データやルートの確認を行います。
また、安全な飛行ができるよう同乗するキャビンアテンダントともミーティングを行います。
自動車のように決められた道路があるわけではないため、一つの確認ミスが大きな事故につながります。出発前にはあらゆる事に対して綿密な確認作業が行われています。
それぞれの役割
機長が実際に操縦を行います。
副操縦士は航空管制官と通信を行ったり、機長が操縦しやすいように補佐的な業務を担当します。
パイロットの素養
気候や気流はいつも都合の良い状態で発生しているわけではありません。
時には乱気流や落雷等のトラブルも発生します。
緊迫した状況になったとしても、常に冷静に最適な行動を選択できる判断力が、パイロットとして最も重要な素養だといわれています。
勤務状況について
飛行機の時間に合わせて交代制で働くため、パイロットの勤務時間、休日は不定期。
ただ、月当たりの休日、一日の発着回数や乗務時間などは厳密に定められているため、必要以上の過剰労働になることはありません。
大学を卒業、航空大学校を卒業
航空会社に採用される
訓練を経てパイロット
パイロットになるには
パイロットになるには主に5つのルートがあります。
4番と5番に関しては特異なルートで一般の人は選択のしにくいルートです。
1. 航空会社のパイロット募集(新卒)から航空会社に入社する。
2. 航空大学校に進学・卒業後、航空会社に就職。
3. パイロット養成課程のある大学を卒業後、航空会社に就職。
4. 自衛隊でパイロットの免許を取得後、航空会社に就職。
5. 海外で自費でパイロット免許を取得後、航空会社に就職。
1. 航空会社のパイロット募集(新卒)から航空会社に入社する
大学を卒業し、航空会社に自社養成パイロットとして採用されれば、訓練を経てパイロットになることができます。
基本的に各航空会社は大学卒を受験資格としているため、進学先は必然的に大学を選択する必要があります。
大学のレベルも重要で他業種同様に有名大学ほど採用が多い傾向にあります。
【特徴】
自社養成なので、免許を取得後も航空会社入社のための就職活動をする必要が無く、恵まれた設備の中で安心して訓練を受ける事ができる。
大手航空会社では採用倍率が100倍を越えるためかなりの難関。
よほどの能力がないと採用される事はない。
2. 航空大学校に進学・卒業後、航空会社に就職
航空大学校とは国が設置した日本唯一のパイロット養成機関です。
航空大学校でパイロットとしての訓練を受け、免許を取得後に航空会社にパイロットとして就職します。
航空大学校の受験資格には25才未満で次のいずれかに該当する者。
・4年制大学に2年以上在学し、全修得単位数が62単位以上の者。受験年翌年3月末までに見込みの者。
・学校教育法による短期大学又は高等専門学校を卒業した者。受験年翌年3月末までに見込みの者。
・専修学校の専門課程の修了者に対する専門士及び高度専門士の称号に関する規程による専門士又は高度専門士の称号を付与された者。受験年翌年3月末までに見込みの者。など。
航空大学校の入学難易度はかなり高く、受験生には東京大学、京都大学、防衛大学、旧帝国大学系大学のハイレベルな学生が勢揃いする。
倍率も高く約10倍。
英語に大きく配点されているので英語はしっかり勉強しておきたい。
少ないながら女性の卒業生も存在します。全寮制。
航空大学校の卒業生は大半がエアラインに就職しています。
【特徴】
恵まれた施設の中で訓練を受ける事ができる。
しかし、航空大学校の入試難易度が高く、相当な学力がないと合格できない。
3. パイロット養成課程のある大学を卒業後、航空会社に就職。
パイロット養成課程のある大学に進学・卒業後、航空会社に就職するルート。
【パイロット養成課程のある大学】※2013年
・東海大学
・桜美林大学
・法政大学
・崇城大学
・千葉科学大学
・神奈川工科大学
・第一工業大学
【特徴】
大学の課程を修了すれば大卒資格も取得できるため、効率良く訓練を行う事ができる。
しかし、大学の授業料や諸費用がかなり高額となるため、余裕のある家庭でないと進学は不可能。
※桜美林大学の例
4年間の学費は約976万円。
その他にニュージーランドでの飛行訓練費(NZ$100000(約850万円))や現地滞在費などが必要。
総額で2000万円以上は必要になります。
4. 自衛隊でパイロットの免許を取得後、航空会社に就職
自衛隊に入隊後、パイロットとしての免許を取得し、自衛隊を辞めた後に航空会社に就職する。
【特徴】
自衛隊としての訓練もこなす必要があり、パイロットという職業に就く事に対しては直接的ではない。
5. 海外で自費でパイロット免許を取得後、航空会社に就職
自費で海外に留学し、パイロット養成機関で免許を取得した後、航空会社に就職する。
【特徴】
海外で免許を取得した後、日本の航空会社でパイロットとして活躍している人もいます。
しかしながら、現地でのスクール費用や滞在費などで1000万円以上は必要になる。
収入について
パイロットの平均年収は1151万円。
※平成24年賃金構造基本統計調査より
平成24年 項目 | 男 | 女 | 合計 |
---|---|---|---|
平均年齢 | 43.3歳 | 0.0歳 | 43.3歳 |
勤続年数 | 12.9年 | 0.0年 | 12.9年 |
労働時間 | 155時間 | 0時間 | 155時間 |
超過実労働時間 | 4時間 | 0時間 | 4時間 |
平均月収 | 89.7万円 | 0万円 | 89.7万円 |
平均賞与(ボーナス) | 75万円 | 0万円 | 75万円 |
平均年収 | 1151.4万円 | 0万円 | 1151.4万円 |
入社直後は一般的な新入社員と差はありませんが、航空機に乗れるようになり、乗務手当などが付くようになると収入は大きくアップしていきます。
日本の航空大手である日本航空(JAL)や全日空(ANA)の2社では平均年収が1500万円以上。
その他の新興航空会社や外資系航空会社の場合は、上記の数字よりも少なくなります(3割~5割程度低い)。
JAL(日本航空):1548万円
ANA(全日空):1934万円
スカイマーク株式会社:837万円
スカイネットアジア航空:966万円
株式会社スターフライヤー:935万円
※平成25年
-更新13-12-01 チェック18-12-01