海上保安官は海上保安庁で勤務する国家公務員。
別名「海の警察官」とも呼ばれています。
海上保安官は密輸などの海上犯罪を取り締まったり、行き交う船舶のために交通情報を提供したりと海の安全のために活動しています。
海上保安官の仕事には主に3つに分かれます。
海上保安官が行うどの業務に関しても、海の安全を守るために活動が行なわれています。
「警備救難業務」
密輸や密航など海上犯罪の予防・取り締まりを行う。
海難事故での救助活動や行方不明者の捜索など。
「海洋情報業務」
海洋調査を行い、航海の安全や海洋開発に必要な海図などの作成をします。
「海上交通業務」
安全な海上交通のために必要な灯台やブイなどの建設や管理などを行う。
また、安全に航海ができるよう海上交通情報の提供も行います。
高校など
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海上保安大学校・海上保安学校学生採用試験
合格・採用
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海上保安大学校
or
海上保安学校
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海上保安官
海上保安官になるためには、海上保安学校・海上保安大学校学生採用試験を受験し、海上保安大学校か海上保安学校に入学する必要があります。
入学後、無事に卒業できれば、海上保安官として活躍することができます。
入学後は海上保安庁の職員(国家公務員)となるため学費などは必要なく、他の公務員同様に給料やボーナスも支給されます。
海上保安学校・海上保安大学校採用試験の受験対策には、一般の大学入試用の対策と公務員試験用の対策が必要な試験となっていて、普通の大学入試とは少し異なります。
どちらの学校も高校を卒業しないと受験できません。高校への進学は必須。
海上保安学校、海上保安大学校ともに全寮制です。
【海上保安大学校学生採用試験の合格率・倍率】()内は女性
平成21年度 申込者数:520(70) 合格者数:67(8) 合格率:12.8% 倍率:7.8
平成20年度 申込者数:567(82) 合格者数:76(13) 合格率:13.4% 倍率:7.5
【海上保安学校採用試験の合格率・倍率】()内は女性
--平成21年度--
◇船舶運航システム課程
申込者数:2029(269) 合格者数:163(20) 合格率:8% 倍率:12.4
◇船舶運航システム課程(特別)
申込者数:5084(975) 合格者数:723(129) 合格率:14.3% 倍率:7.0
◇航空課程
申込者数:92(5) 合格者数:6(0) 合格率6.5% 倍率15.3
◇情報システム課程
申込者数:181(38) 合格者数:52(10) 合格率:28.7% 倍率3.5
◇海洋科学課程
申込者数:66(13) 合格者数:14(1) 合格率:21.2% 倍率4.7
【海上保安学校】
一般の海上保安官を養成する施設。
教育課程は1年と2年に分かれています。
◇船舶運行システム課程
・航海コース(1年)
・機関コース(1年)
・主計コース(1年)
◇航空課程(1年)
◇情報システム課程(2年)
◇海洋科学課程(1年)
◇海上保安大学校 受験資格
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受験する年の4月1日時点での年齢が24歳未満の者で次に掲げる者。
1.高等学校又は中等教育学校(中高一貫教育の学校)を卒業した者及び翌年3月までに高等学校又は中等教育学校を卒業する見込みの者
2.高等専門学校の第3学年の課程を修了した者及び翌年3月までに高等専門学校の第3学年の課程を修了する見込みの者
3.高等学校卒業程度認定試験(廃止前の大学入学資格検定試験を含む)に合格した者等人事院が1と同等の資格があると認める者
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【海上保安大学校】
海上保安庁の将来の幹部を養成する施設。
教育期間は本科4年と専攻科6ヶ月の合計4年6ヶ月。
海上保安大学校を卒業後は、海上保安庁の幹部として活躍します。
◇海上保安大学校 受験資格
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受験する年の4月1日時点での年齢が20歳未満の者で次に掲げる者。
1.高等学校又は中等教育学校(中高一貫教育の学校)を卒業した者及び翌年3月までに高等学校又は中等教育学校を卒業する見込みの者
2.高等専門学校の第3学年の課程を修了した者及び翌年3月までに高等専門学校の第3学年の課程を修了する見込みの者
3.高等学校卒業程度認定試験に合格した者等人事院が1と同等の資格があると認める者
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海上保安官は公安職となっているため、一般の公務員よりも給与は高く設定されています。
海上保安官の平均年収は約700万円。
海上保安大学校・海上保安学校時代の収入は月収約14万円。
その他にボーナスなどが支給されます。