刑務官は少年刑務所や刑務所、拘置所に勤務し、受刑者が円滑に社会復帰できるように日常生活や職業訓練など様々な指導を行う職業です。
刑務官として採用される割合は男性8、女性2程度で職務内容から容易に推測できますが、やはり男性中心の業界です。
全国の刑務官の数は約17000人。
刑務官は刑務所や少年刑務所、拘置所など罪を犯した人が収容されている施設で働いています。
刑務所とは収容者を罰する為の施設ではなく、その罪を反省させ社会復帰させるための施設です。
刑務官の仕事内容は、施設の保安警備つまり、収容者を見張っているだけだと思われがちですが、その他にもたくさんあります。
・収容者に対しての差し入れに怪しいものが入っていないか調べる。
・出所後の生活や仕事のことなど収容者のあらゆる悩みに対して相談にのります。
・再び手を染めることの無いように、麻薬やシンナー、その他の薬物などの害を収容者に講義をおこなう。
など。
収容者は犯罪を犯して収容されているわけですから、一筋縄ではいかない人も少なくありません。
自分より年齢の高い収容者や暴力団の組員、組長クラスの収容者もいるわけです。
そんな中でも、毅然とした態度で職務を遂行できるような強い気持ちが大事な職業です。
刑務所の中で受刑者達は一体何をしているのか?
ほとんどの受刑者達は日中、刑務所内にある家具工場や自動車の整備工場、焼き物工場などで働いています。
その場では貰うことはできませんが、労働に対しての賃金も発生します。
そして、刑務官はそれらの作業をしている受刑者の監督・指導をしているのです。
1週当たりの勤務時間は、40時間(週休2日制)で、1日8時間の勤務を行う場合と、交替制勤務を行う場合があります。
最近は収容者の増加の影響で、残業時間も増加傾向にあり、勤務状況はハードになってきているとか。
最後に死刑執行は刑務官が行います。
刑務官採用試験を受験
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刑務官
刑務官になるには公務員試験である、刑務官採用試験を受験し、合格する必要があります。
刑務官採用試験には、刑務A(男子)と刑務B(女子)の区分があり、受験年の4月1日の時点で17歳以上29歳未満であれば受験することができます。
刑務官採用試験の難易度は国家三種試験と同程度でそれほど難易度の高い試験ではありません。
職務の特殊性から、身長が低い人や身体能力などが著しく低く、刑務官としての職務に影響が出ると考えられる人は刑務官になることはできません。
--刑務官採用試験の合格率・倍率--
【平成21年度】
刑務A 申込者5289人 合格者893人 合格率16.8% 倍率5.9倍
刑務B 申込者984人 合格者253人 合格率25.7% 倍率3.8倍
【平成20年】
刑務A 申込者4041人 合格者1126人 合格率27.8% 倍率3.5倍
刑務B 申込者797人 合格者171人 合格率21.4% 倍率4.6倍
【受験資格】
・刑務官A 受験年の4月1日の時点で17歳以上29歳未満の男子
・刑務官B 受験年の4月1日の時点で17歳以上29歳未満の女子
【試験日】
・9月中旬
【試験内容】
1次試験:
教養試験と作文試験
2次試験:人物試験・身体測定・身体検査・体力測定
刑務官の年収は約630万円(公安職俸給表)。
公安職であり、その仕事内容から、一般の行政職よりも給料は12%ほど高く設定しています。
その他にも、宿舎の家賃が無料であったり、さまざまな手当が付くため収入は安定しています。