入国警備官は入国管理局などで日本に不法入国、不法残留している外国人を調査・摘発し本国に送還したり、入国者収容所入国管理センターで収容者に対する処遇の決定や施設の警備などを行う職業です。
法律の知識も重要ですが、常に外国人と接するため語学力が要求される職業です。
仕事内容からも予測できますが、入国警備官のほとんどが男性で8割を占め、女性は2割程度。
経済が豊かな日本には多くの外国人が入国してきます。
その中には不法に入国し滞在する外国人も多く、入国警備官はそんな不法滞在者を摘発・強制送還し、日本の安全を守っています。
入国警備官の仕事内容は、日本に入国した法律違反の疑いのある外国人に対しての調査や逮捕、本国への強制送還等を行います。
不法滞在で摘発した外国人から話を聞き、調査書を作成したり、帰国の手続きもします。
時には悪質な外国人犯罪者と対峙することもあります。
そのような危険な状況に対応できるように、入国警備官は拳銃を所持することが認められています。
入国警備官は、茨城県の牛久市、大阪府の茨木市と長崎県の大村市にある入国者収容所入国管理センターや札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡にある地方入国管理局、6カ所の支局(成田空港、横浜、中部空港、関西空港、神戸、那覇)と全国の空港や港にある出張所に勤務しています。
全国に官署がある為、当然、日本中で転勤や異動があります。
勤務時間は、1週間につき40時間、週休2日制、9時〜5時となっていますが、いろいろと忙しい状況になりやすく、計算どおりにはいかないことも少なくないようです。
入国者収容所入国管理センターなどの警備勤務の場合には、交替制となり、深夜勤務や休日勤務もあります。勤務は隔日勤務となり、勤務日の翌日は非番になります。
入国警備官はその勤務内容の厳しさから中途退職者の割合が若干高くなっています。
それほど大変な仕事なのです。
入国警備官試験を受験する
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合格・採用
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入国警備官
国家公務員試験である入国警備官試験は、受験年の4月1日の時点での年齢が17歳以上23歳未満の人が受験することができます。
試験には第1次試験と第2次試験があります。
入国警備官試験の難易度は国家三種程度ですが、倍率は20倍以上と結構な難易度です。
入国警備官採用試験は高卒程度、国家三種程度ですが、倍率は例年高く難易度は高い。
例年2000人程度が受験し合格者は100人以下。
採用後は地方入国管理所で少しの期間の勤務があり、その後は入国警備官として必要な法律知識や実務を修得すべく数ヶ月の間の「初任科研修」を受けます。
その内容は憲法や民法、出入国管理及び難民認定法、外国人登録法などの法律や外国語などの学習をしたり、拳銃の撃ち方や逮捕術などの訓練も受けます。
【入国警備官採用試験の受験資格】
◇受験をする年の4月1日における年齢が17歳以上23歳未満の者
申込者 | 合格者 | 合格率 | 倍率 | |
平成23年度 | 1597(457)人 | 52(15)人 | 3.2% | 30.7 |
平成22年度 | 2145(684)人 | 79(31)人 | 3.6% | 27.1 |
平成21年度 | 2513(681)人 | 72(24)人 | 2.8% | 34.9 |
平成20年度 | 1596(458)人 | 294(94)人 | 18.4% | 5.4 |
【関連リンク】 人事院
入国警備官は公安職であるため、給与は一般の公務員よりも多く支給されます。
高校卒業後,東京都特別区内に勤務する場合には,地域手当を含め180348円(平成18年)が支給されます。
更に諸手当も支給されます。
【公安職】
一般職公務員のうち、警察官・皇宮警察官・入国警備官および検察庁・公安調査庁・海上保安庁・刑務所・少年院に勤務する職員のこと。
これらの職業には危険が伴うこともあり、勤務時間なども不規則である場合が多いため、それらの理由から給与は若干高めに設定されています。