なるには難易度 | 国民に投票してもらえるだけの経歴や知名度、供託金や選挙資金の捻出など超えなければならない壁が山ほど。 国会議員になることはかなり難しい。 |
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年齢制限 | 衆議院で25歳以上、参議院で30歳以上でないと出馬はできない。 実績や経歴、人脈などが重要になるため経験を積んだ高年齢の国会議員が多い。 |
学歴 | 学歴による制限はない。 ただし、国会議員として活躍している人は有名大学卒業者がほとんど。 議員を目指すなら最低でも大学は卒業しておきたい。 |
収入状況 | 各種手当てを含めると年収は4000万円を超える。 ただし、選挙に落ちたら無職。 |
政治家とは
政治家といっても衆議院から府議会議員や町会議員まで存在していますが、職業ガイドではその中でも一番有名な衆議院・参議院の国会議員について紹介していきます。
「被選挙権」つまり、立候補できる年齢は衆議院が25歳、参議院が30歳。
国会議員の出身大学ランキング(2003年度)
1.東京大学 158人
2.早稲田大学 93人
3.慶應義塾大学 65人
4.中央大学 42人
5.京都大学 35人
その他は日本大学・明治大学・東北大学・立命館大学・一橋大学・上智大学・法政大学・成城大学・創価大学・同志社大学など。
仕事内容について
政治家の主な仕事は国会で議論をし、法律の制定や予算の編成を行うことです。
国会の外では関係各所との調整や勉強会などが行われており、テレビで中継される国会内だけで完結する仕事ではありません。
予算編成や外交問題など国にとって、国民にとってどの選択肢が一番良いのか?を第一に考えながら仕事を行います。
勤務場所は主に国会議事堂がある東京になりますが、議会がない時は地元にも積極的に帰り、後援会や支持者とコミュニケーションをとる必要があります。
平日は東京で国会などの仕事をこなし、週末は地元に帰り活動するため、毎日が多忙で議員さんにはあまり休みが無いのが実情です。
政治家の勤務状況
勤務時間はまちまちですが、朝の8時くらいから夜遅くまで人と会ったり会議をしたりと、とても忙しいことが通常。土日も関係なく働いている議員も多い。
また、精神的なプレッシャーも相当なもので、任期中に病気になり倒れる人も珍しくありません。
2000年には小渕恵三元内閣総理大臣が任期中に倒れ、亡くなられるという痛ましい出来事も起っています。それほどプレッシャーの強い職業だということでしょう。
衆議院・参議院選挙に立候補
当選
政治家
政治家(国会議員)になるには
政治家(国会議員)には、衆議院選挙か参議院選挙に立候補し当選すればなることができます。
衆議院は25歳以上、参議院は30歳以上から出馬することが出来ます。
政治家へのなりかたは単純なものですが、選挙に当選することは非常に難しいのが現実です。
年齢制限さえクリアしていれば立候補はできますが、出馬したところでただのおじさん、おばさんでは当選は不可能でしょう。
選挙は総力戦になります。
無所属で当選する人ももちろん存在していますが、現在の選挙制度(比例代表制など)や政党の支持団体のバックアップ、資金面などを考えると、政党に所属している方が当選の確率は大きく高くなります。
実際、ほとんどの政治家はどこかの政党に所属しています。
ただ、政党に所属するということはメリットも大きい反面、政党内のゴタゴタ、例えば小泉チルドレンの刺客問題(郵政民営化に反対した自民党議員を公認せず、逆に新たな候補者を擁立した)のように自分の意見を殺してまで、政党の方針に同調しなければならなかったり、所属政党の人気が下がってしまうと、自分の人気も同時に下がってしまうなど、自分自身の問題以外で不利を受けてしまうデメリットもあります。
民主党や自民党では、選挙に出馬する候補の公募も行われています。
選挙に当選するために必要なもの
当選するには他の候補者よりも優れた「何か」が必要です。
その「何か」とは
・テレビタレントのような知名度
・東京大学→警察官僚出身でハーバード大学留学経験あり、などの職歴、学歴
・親の地盤を引き継いだ二世議員
・時の運
などたくさんあります。
昔からある選挙の文句に「ジバン」、「カンバン」、「カバン」の3つのバンがあり、この3つが十分であれば、当選は間違いないと言われています。
・ジバン(地盤):後援会や人脈など。
・カンバン(看板):知名度など。
・カバン(鞄):潤沢な選挙資金。
政治家養成団体
政治家を育成する有名な団体に松下幸之助氏が設立した「松下政経塾」があります。
全寮制で、寝食を共にしながら3年間の研修が行われ(研修資金や活動資金も支給されます)、有名な前原誠司議員や高市早苗議員も卒塾生で松下政経塾出身者であることは、ある種のステータスにもなっています。政治家志望の方は参考に。
収入について
国会議員の収入は月給が約130万円、ボーナスが約700万円で総額2300万円程度。
その他にも文書交通費との名目で毎月100万円支給されています。
更に様々な名目の手当が議員には支給され、少なく見積もっても総額で4000万円以上。
また、JR各社や航空会社の特殊乗車券なども支給されます。
政治家・国会議員は高収入?
この状況だけを見ると「貰いすぎでは?」思いがちですが、国会議員になるための選挙に必要なお金は当然自腹。
その費用の内訳は、
◇選挙に出るための供託金300万円
選挙に出るためには供託金としてお金を納めなければなりません。
このお金は一定得票に達すれば返還されますが、達しないと没収されます。
なぜ供託金制度があるかというと立候補者の乱立を防ぐため。
もし誰でも選挙に出られるなら、おもしろ半分で立候補する人も出てきてしまいます。
それを防止するために供託金制度が設けられています。
◇選挙運営費
事務所を借りる費用から、様々な雑費、共に戦ってくれる運動員の人件費など選挙に関するこれらの費用だけでも数千万円は必要。
多い人だと億単位の人も。
◇落選したら、ただの人
落選したら当然ながら「無職」です。
当選すれば「先生」+「4000万」ですが、落選した場合は選挙につぎ込んだ数千万のお金は返ってこず、ただの人に成り下がるわけですからハイリスクハイリターンの典型といえます。
更に、政治家になってからも冠婚葬祭費や秘書の費用等も馬鹿にならず、出費は相当な金額になります。
(議員さんの人脈は一般人とは比較にならないほど広くなります。そのため、一週間で半分以上、冠婚葬祭に行くこともあるとか。)
政治家とは切っても切れない、秘書の給料に関しては3人までは国から支給されますが、それ以上の秘書を雇用した場合は当然自腹。
トップクラスの議員になると秘書を10人以上抱えている人もいます。
秘書1人あたり500万円の給料と計算しても「年間5000万」が必要。
当然、議員個人の給料だけではやっていけず、政党からのお金や献金によってまかなうことになります。
ベテラン議員の場合はパーティーを開いたり、献金などである程度の余裕のある生活ができますが、新人議員の場合はいろいろな支払いを済ますと手元に残るお金は微々たるものだとか。
収入だけを見れば高収入の国会議員ですが、それ以上に出費とリスクも高い職業といえます。
しかし、国のために直接働ける仕事にやりがいを求めて国会議員を目指す人は、いつの時代も後を絶ちません。
-更新13-01-01 -チェック16-03-01