なるには難易度 | 公務員試験を受験・合格すれば、消防士になることができる。 公務員試験の中では容易な部類に入る試験だが、それなりの学力がないと合格はできない。 |
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年齢制限 | 募集は各都道府県・市町村毎に行われているが、おおむね29未満の規定が多い。 ※年齢制限は各市町村によってさまざま。 |
学歴 | なるために必ず必要な学歴はないが、公務員試験をクリアできるだけの学力は必要。 |
収入状況 | 消防士の平均年収は約700万円程度。 |
消防士とは
消防士とは火災や災害、事故が発生した際に消火活動や救急救命活動を行う人命救助活動を主な職務としている職業です。
消防士の他に、消防官や消防吏員と呼ばれることがあります。
消防士は公務員です。
仕事内容について
消防士の仕事といえば、まず真っ先に思いつくのが「火災の消火活動」と「救急・救助活動」です。
火災の消火活動では、119番の通報を受けて実際の火災現場に出動し、消火活動を行います。
ポンプ車やはしご車などの消防車両や消防ヘリコプターなどを活用して火災から地域住民の生命を守ります。
また、消火活動が終了した後も焼け跡の形跡から火災原因の調査を行います。
それらの調べ上げたデータをもとに今後の消防予防活動の資料として活用します。
実際の消火活動だけでなく、防火訓練の指導や避難訓練の指導などの火災を予防するための活動も行っています。
救急救助活動では、救急隊員として急病人やけが人が発生した現場に出動し、止血や心肺蘇生、酸素吸入などの応急処置を施し、救急車で医療機関に搬送します。
忙しさについて
火災や災害は頻繁に発生するものではないため、それほど出動件数は多くありませんが、救急は出動件数がかなり多く忙しいようです。
特に大阪や東京など人口が多い都市の救急隊員は、満足にご飯を食べる時間もとれないほどに忙しくなることも珍しくないそうです。
消防士はトレーニングが必須
消防士は災害や火災での作業に体力仕事になることが多いため、常日頃から体力・筋力トレーニングを行っています。
火災の時に着用する消防服や酸素ボンベなどの重さは15キロ以上で、屈強な肉体でないと職務の遂行が難しくなります。
基本的な筋力トレーニングから、ビルをよじ登る練習など様々なケースを想定して訓練が行われています。
勤務状況について
勤務時間は地域や部署によって様々ですが、朝8時くらいから翌朝8時~9時くらいまでの24時間勤務が一般的。
常に24時間、起きているわけではなく、夜に数時間程度の仮眠をとることができます。
勤務した翌日は基本的に休日となります。
その為、休日が多くなり、1ヶ月あたりの出勤日数は10数日で日数としては少なくなりますが、一日の勤務は24時間勤務(実際は16時間扱い)となるので、総合した勤務時間は他の公務員と大差はありません。
週休2日制で約40時間勤務。
危険と隣り合わせの仕事
消防士の仕事には危険がつきもので、火災などに巻き込まれ殉職される方も少なからず存在しています。残念なことですが、そういった現実もあることも考えておきたい。
高校・大学など卒業
(学歴の制限はないので、あくまで目安)
消防官採用試験
(各自治体が独自に実施)
合格
消防学校入校
消防官・消防士
消防士になるには
消防士になるには各自治体が独自に実施する消防官採用試験(公務員試験)を受験し、合格する必要があります。
受験資格に学歴の制限はほとんどないため、年齢の条件さえ満たせば、採用試験を受験することができます。
男性ばかりと思いがちですが、女姓の消防士も存在しています。
ほとんどの合格者が公務員受験のスクールを活用して試験対策しているようです。
消防士は人気のある職業なので倍率が高く、計画的な学習が合格への近道と言えるでしょう。
進学先について
消防士になりやすい進学先は特にありません。
ただ、公務員試験に合格するためにも、ある程度の学力は身につけておきましょう。
採用後
試験に合格・採用後は、消防学校に入学し、訓練を受けます。
期間は6ヶ月間(学歴や自治体によって異なる)。
全寮制、週休2日制で公務員としての給料も支給されます。
消防学校では消防活動に必要な知識を学び、実際に訓練を行います。
男性の場合は、坊主頭の人が多く、消防学校の規律は厳しく設定されています。
厳しい訓練に耐え、消防学校を卒業した後は、各消防署に配属され、実際に現場に出て経験を積むことになります。
【東京消防庁の採用試験受験資格】
I 類:21歳以上29歳未満の者
II 類:17歳以上27歳未満の者
III 類:17歳以上21歳未満の者
【関連リンク】 東京消防庁
収入について
年 | 年齢 | 平均給与 | 諸手当 | 月額給与 | 賞与 | 年収 |
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平成26年 | 38.9歳 | 30万2839円 | 9万5173円 | 39万8012円 | 157万2147円 | 634万8291円 |
平成25年 | 39.3歳 | 30万6314円 | 9万5044円 | 40万1358円 | 142万8834円 | 624万5130円 |
平成24年 | 39.8歳 | 30万9417円 | 9万3349円 | 40万2766円 | 143万3847円 | 626万7039円 |
平成23年 | 40.1歳 | 31万3234円 | 9万9526円 | 41万2760円 | 163万402円 | 658万3522円 |
平成22年 | 40.5歳 | 31万7766円 | 9万7228円 | 41万4994円 | 163万9226円 | 661万9154円 |
平成21年 | 40.9歳 | 32万2955円 | 9万8710円 | 42万1665円 | 174万9910円 | 680万9890円 |
平成20年 | 41.4歳 | 32万9198円 | 9万8894円 | 42万8092円 | 192万6414円 | 706万3518円 |
平成19年 | 41.8歳 | 33万5093円 | 9万6123円 | 43万1216円 | 194万472円 | 711万5064円 |
消防士は公務員ということもあり、収入状況は良好。
消防士の平均年齢は40歳前後での平均年収は700万円程度。
安定した生活が期待できるでしょう。
ただ、時間が不規則な仕事であり、時には自身の命を失うこともある危険度が高い仕事内容であることからも、単純に収入だけで選択できる職業ではありません。
-更新13-03-01 -チェック17-03-01