なるには難易度 | 保育士養成課程のある大学や短大・専門学校を卒業すれば保育士になることができる。 就職の門戸は広く、なることは容易な職業。 |
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年齢制限 | 特に制限はない。 |
学歴 | 中卒・高卒でも保育士になることは可能だが、ほとんどの人が短大や専門学校を卒業して資格を取得する。 |
収入状況 | 保育士の平均年収は300万円程度。 経験を積んでもその数字から上がることはほとんどない。 |
保育士とは
保育士とは2003年に法定化(国家資格化)された厚生労働省管轄の資格で、乳児や幼児を預かり保育する職業です。
以前は「保母さん」「保父さん」と呼ばれていました。
よく似た資格・免許に幼稚園教諭がありますが、こちらは文部科学省管轄で教育内容も異なります。
男性の保育士も増加傾向にありますが、まだまだ圧倒的に女性保育士が多いのが現実です。
仕事内容について
保育士の仕事は保育所などの児童福祉施設の中で、保護者から預かった子供達の日常生活の世話を行うことです。
対象は主に乳幼児などの就学前の子供が中心になります。
乳児であればミルクの用意やおむつの交換、小学校入学前の幼児であれば、食事の仕方やトイレトレーニングなど担当する年齢に応じて仕事の内容は大きく異なります。
体力勝負の一面も
毎日、子供達と運動したり、遊んだりと立ちっぱなしで子供達の世話を行います。
子供を持ち上げたり、しゃがんだりと体力仕事も多く、職業病として腰痛になる人も多いようです。
運動会や遠足など行事ごとの際には、準備のために夜遅くまで残業になることも少なくありません。
精神面でも大変な職業
乳幼児は思うままに突発的に行動を起こすことも珍しくありません。
予測不可能な子供の行動に対応するために、保育時には一瞬たりとも気を抜くことができないのです。
保育士は体力的にも精神的にもプレッシャーの多い職業だと言います。
また、子供と直接関わる仕事のみでなく、保護者との話し合いや日誌・連絡帳の記帳など間接的な仕事も少なくありません
最近は保育所内のあらゆることに口出しをしてくる「モンスターペアレンツ」もあたりまえの存在となり、気苦労は絶えないようです。
ハードな勤務状況の保育士は長期間、続けられる人が少ない『離職率』の高い職業として知られています。
勤務状況について
勤務時間は各保育所・施設によってさまざまですが、基本的には朝の8時くらいから6時くらいまでが一般的。
保育所によっては延長保育や朝早くからの保育に対応しているところもあります。
保育時間が長い保育所では早番・遅番のシフトを組み交代制の勤務を採用しています。
なりかた1
高校卒業
国が指定する保育士養成学校を卒業する
大学・短大・専門学校
卒業と同時に保育士資格取得
なりかた2
保育士養成施設でない大学で2年以上在籍で62単位修得
または保育士養成施設でない短大・専門学校を卒業
or
高校卒業後、実務経験2年以上(中卒の場合は5年以上)
保育士資格試験受験
合格
保育士資格取得
保育士になるには
保育士になる方法は2つありますが、ほとんどの人がなりかた1のルートを選択しています。
保育士養成課程のある大学・短大・専門学校を卒業すれば保育士資格が取得できます。
このルートだと、資格を取得するために特別な試験などを受験する必要はありません。保育士資格と幼稚園教諭の資格を2つとも取得できる学校も多いため、保育士になった後も何かと都合が良いようです。
また、なりかた2の国家試験ルートよりも実習を多く経験している養成施設卒業者の方が採用者側からの信頼が得られやすいようです。
なりかた2は、保育士資格試験を受験し、保育士になるルートです。
【保育士資格試験 受験資格】
1.保育士養成施設でない大学・短大で2年以上62単位を取得
2.高校卒業後、実務経験2年以上(中卒の場合は5年)
受験資格を満たした後、試験に合格すれば保育士資格を取得することができます。
【関連リンク】 全国保育士養成協議会
【保育士資格取得後は・・・】
保育士資格取得後はほとんどの人(9割程度)が保育所に勤務します。
その他では、児童養護施設、乳児院、知的障害児童施設、母子生活支援施設、ベビーホテルやベビーシッターサービス会社などがあります。
保育所には公立と私立の2種類があります。
公立の保育所の場合は、市町村が実施する地方公務員試験を受験します。
私立の保育所の場合は、各保育所独自の採用試験を受験することになります。
収入や職場環境の充実している公立保育園は人気が高く、競争率はかなり高くなっています。
就職状況は比較的良く、資格を取得すれば就職の心配はないようです。
その反面、勤務状況の厳しさからか、離職率の高い職業としても知られています。
収入について
新卒の場合の初任給は15~17万円程度が一般的。
保育士の平均年収は約314万円。
※平成24年賃金構造基本統計調査。
平成24年 項目 | 男 | 女 | 合計 |
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平均年齢 | 30.0歳 | 35.3歳 | 35.0歳 |
勤続年数 | 4.7年 | 8.0年 | 7.8年 |
労働時間 | 170時間 | 169時間 | 169時間 |
超過実労働時間 | 6時間 | 4時間 | 4時間 |
平均月収 | 23.1万円 | 21.3万円 | 21.4万円 |
平均賞与(ボーナス) | 49.3万円 | 58.5万円 | 58万円 |
平均年収 | 326.5万円 | 314.1万円 | 314.8万円 |
保育士は公立か私立かで年収が大きく異なる
【公立保育所】
公務員の規定に準じて支給される。収入は経験を積むほど伸びていく。
【私立保育所】
年収300万円程度から伸びない。
私立の場合は一定以上からは収入面での上積みは期待できないようです。
採用直後は公立と私立で収入差はほとんどありませんが、経験を積む毎に収入差は拡大していきます。
最終的には公立か私立かで大きく待遇は異なることになります。
雇用形態は正社員としての募集もありますが、臨時職員やアルバイトなどの不安定なものも多い。
アルバイトやパート採用での平均的な時給は900円程度。
-更新13-03-01 -チェック16-04-01