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なるには難易度 | 何を基準にお笑い芸人とするかは難しいが、養成所などを卒業し、お笑い芸人として活動するだけならそれほど難しくはない。 そこから売れるかどうかが勝負。 |
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年齢制限 | 特になし。 吉本の養成所NSCでは40代、50代からチャレンジする人も。 |
学歴 | 特に必要は無い。 |
収入状況 | 上は億万長者から下は1ステージ500円の人まで。 |
お笑い芸人とは
お笑い芸人とは「漫才」や「コント」など、人を笑わせる仕事を生業としている人のことを言います。
テレビで若手芸人大集合と銘打った番組がありますが、調べてみるとその若手芸人のほとんどが30歳以上で、世間一般でいう「若手(10代・20代)」が活躍するにはかなり厳しい世界。
平均年齢は不明ですが、テレビに頻繁に出演している芸人は若い人でも20代後半くらいで、20代からバリバリと活躍する事は難しいようです。
お笑い芸人として「モノ」になるのは1000人のうち・・
吉本のNSCでは年間1000人以上が入校しますが、「モノ」になるのは数組いれば良い方だといいます。
ほとんどの人は志半ばで辞めていきます。
サラリーマンなどを経験した後に、お笑い芸人の世界に飛び込んでくる人も数多く存在しています。
テレビで活躍されている友近さんは仕事を辞め26歳でNSCに入学したそうです。
能力があれば、年齢は関係ない良い例といえます。
成功者の傾向
傾向として、いわゆる「クラスの人気者」タイプの人はあまり売れない事が多いそうです。
理由は「お笑い」と「楽しい人」とは微妙に異なるためで、「お笑い」で成功する人はどこか陰のある冷めた人が多いとか。
仕事内容について
お笑い芸人の仕事内容はとにかくお客を笑わすこと。
よく言われることですが、「笑われる」ではなく「笑わせる」事が大事だといいます。
最近の傾向としては、キャラクター重視の傾向があります。
その人の素の姿ではなく、何らかのキャラクターを演じることで笑いをわかりやすくしているそうです。
ただ、冠番組を持っている芸人クラスになると素の状態で勝負している人がほとんどで、上に行くためには、やはりお笑いの基礎能力は絶対に必要になります。
お笑いの基礎能力があったとしても簡単には売れることはできません。
中堅からベテランに実力のあるお笑い芸人が多く、若手にはなかなか番組出演のチャンスが回ってこないのが実情です。
どの芸人さんも数年~10年くらいは、テレビにコンスタントに出られない時期をを過ごす事が多いようです。
近年、トップクラスで活躍している芸人さんのメンツにあまり変化は無く、芸人さんはトップクラスで活躍できる期間が長いのが特徴です。
お笑い芸人の序列について
芸人の世界は先輩後輩の序列に厳しい世界です。
年齢では無く、いつこの世界に入ったかで先輩後輩が決まります。
例を挙げると現在30歳で業界3年目のAさんと、現在22歳で業界5年目のBさんではBさんの方が先輩となり、AさんはBさんを先輩として接しなければなりません。
このしきたりのためにで、年齢は下なのに先輩と呼ばれる逆転現象が発生します。
お笑い芸人になるには
芸人になるには主に3つのパターンがあります。
【1:昔ながらの弟子入り(今はその数は激減しました)】
今はあまりないパターンですが、ベテラン芸人の弟子となり、その元で勉強させてもらう。
弟子になるための窓口などはなく、飛び込みで師匠に直談判するのが通常のようです。
弟子になれたら、まずは付き人から始まり、芸を磨きチャンスを狙います。
ちなみに付き人時代は、師匠からお手当が出るため、ある程度の生活はできるそう。
ただそのお手当の金額は師匠によって様々。
【2:芸能事務所などが運営しているお笑い芸人教育養成施設に入校する。】
現在、一番多いパターンがこのコース。
各芸能事務所が運営している養成施設に入校しチャンスをつかみます。
なぜこのパターンが一番多いのかというと、その養成施設でがんばっていけば、運営する芸能事務所からいろいろなチャンスが回ってくるような仕組みになっているため。
能力養成も目的でありますが、その後のバックアップも魅力のようです。
ただ、 能力が高い・売れそうだ、と判断された人のみチャンスが与えられ、可能性がないと判断されれば仕事がくることはありません。
実力が全ての厳しい世界。
大阪吉本NSCや人力舎すくーるJCAや渡辺コメディスクールなどその他多数存在しています。
養成施設には、入学試験なるものがあり、その合格条件は様々。
大阪NSCでは授業料を納めることができるならば合格になるとの噂もあります・・。
授業料の金額も様々で、40~50万円程度の場合が多いようです。
大阪NSCは芸人の宝庫
現在、たくさんの芸人養成施設が存在していますが、その中でも大阪NSCは他の追随を許さない圧倒的な芸人創出実績を残しています。
古くは1期生ダウンタウン、9期生ナインティナインなど、今をときめく吉本芸人達の多くが大阪NSCの卒業生です。
【3:自力で何とかする。】
自分でテレビ番組のオーディションなどに応募したり、直接芸能事務所に直談判をして採用してもらう。割合としては少ない。
毎年、無数の芸人候補が生まれては、日の目を見ることなく消えていきます。
成功する人は全体の1%にも満たないでしょう。
リスクのかなり高い職業といえますが、お笑い界の頂点を目指して数多くの若者が芸人への道を歩んでいます。
とあるエピソード
ある修学旅行生が大阪の街で偶然出くわした西川きよし師匠に
「師匠。私、馬鹿なんですけどお笑いできますか?」
と軽い気持ちで聞いたところ
「あほにはお笑いはでけへん!」
と真顔で一喝されたそうです。
温厚な西川きよし師匠が真剣に一喝するほど、お笑い芸人の世界は厳しいものなのでしょう。
収入について
売れない間の収入はかなり低い。
吉本所属の芸人は、新人の頃は舞台一回数百円などはザラで収入はかなり低く、年収が数千円や数万円の芸人がほとんど。
ある程度テレビに出演している芸人さんでも、アルバイトをしないと生計をたてられない人も多く、借金まみれの芸人さんもたくさんいるとか。
コンスタントにテレビや舞台に立てるようになってはじめて生活ができる職業です。
売れてしまえばトップクラスのお笑い芸人で年収数千万~数億円以上、更に、1番組200万~300万以上も可能で高収入は間違いありません。
ただそこまではいける芸人はほんの一握り。
テレビに頻繁に出てくる「中堅」レベルで年収は数千万クラス。
「若手」クラスでもある程度テレビに出演できるなら1000万円以上の収入は期待できます。
とにかくコンスタントにテレビ出演できるようになることが、成功への鍵。
-更新12-12-01 -チェック15-05-01