なるには難易度 | 臨床心理士資格を取得するためには、大学院の卒業が必須となっている。 なるためにはそれなりの学力と時間(大学・大学院で6年以上)が必要になる。 |
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年齢制限 | 特に制限はない。 |
学歴 | 指定された大学院を卒業しなければならない。 |
収入状況 | 臨床心理士の半数以上が年収400万円以下。 収入状況は厳しめ。 |
臨床心理士とは
臨床心理士とは心理学の知識をもとにカウンセリングを行い、相談者の心のケアを行う心理職の専門家。
臨床心理士資格の取得者は約24600人。(平成23年)。
有資格者には女性が多く、実に7割以上が女性。
職業名 | 臨床心理士 | ||
名前 | ぽん | ||
年齢 | 39歳 | 年収 | 600万円 |
メッセージ |
職業名 | 臨床心理士 | ||
名前 | なな | ||
年齢 | 45歳 | 年収 | 300万円 |
メッセージ |
職業名 | 臨床心理士 | ||
名前 | heart | ||
年齢 | 35歳 | 年収 | 350万円 |
メッセージ |
仕事内容について
臨床心理士の仕事は、心に悩みを持つ人の相談にのり、どのようにすればより良い生活ができるのかを一緒に模索することです。
相談者の現在の状況や考え方を聞き出すために聞き役に回ることが多いそうです。
病院や学校内で、相談者の話を聞き込みカウンセリングを行います。
その内容も実に様々で、5月病の相談からいじめ問題、家庭内暴力、集団生活の不安などありとあらゆる相談にのります。
どれも、簡単に解決できるようなものではなく、ひとつひとつの経験が勉強の日々になることでしょう。
研修会や学会に参加することも大切な仕事の一つ。
患者に対してさまざまな臨床心理学的技法(遊戯療法、箱庭療法、芸術療法、夢分析、家族療法、精神分析、行動療法、動作法等々)を用いて、心の問題改善に向けての援助作業を行います。
臨床心理士と精神科医の違い
臨床心理士と似ている職業に精神科医があります。
どちらも、精神的な問題を対象にしている共通点はありますが、少し異なります。
-臨床心理士-
臨床心理学的技法(心理テストや遊戯療法、箱庭療法など)を用いての解決法を探ります。
もちろん医学的な知識も必要です。
-精神科医-
患者さんが抱える問題に対して、薬物治療など医学的な療法を用いて解決法を探ります。もちろん心理的な知識も求められます。
臨床心理士になるには
臨床心理士には、日本臨床心理士資格認定協会が指定する大学院を修了して受験資格を獲得し、臨床心理士資格試験を受験、合格すれば臨床心理士となることができます。
指定大学院には第1種と第2種があります。
第1種:修了と同時に受験資格が得られる。
第2種:1年以上の実務経験後に受験資格が得られる。
資格試験の合格率は60%~70%程度で、試験自体の難易度は高くありませんが、受験資格を得るまでが大変。
近年、臨床心理士受験者は増加傾向にあり、以前は1000人に満たない程度でしたが、現在はその3倍の3000人程度にまで増加しています。
【臨床心理士の合格率】
平成25年 受験者数:2804人 合格者数:1751人 合格率:62.4%
平成24年 受験者数:2812人 合格者数:1663人 合格率:59.1%
資格試験受験資格に指定大学院の修了が規定されているため、臨床心理士になるには、必然的に大学院へ進学できる進学ルートを選択する必要があります。
(医師免許取得者を除く)
受験資格には協会指定大学院の修了が必須となっています。
◇日本臨床心理士資格認定協会
◇指定大学院一覧表
大学院には第1種と第2種があります。
【受験資格】
○第1種指定大学院:実務経験無しで大学院修了後、即、臨床心理士資格試験受験可能。
○第2種指定大学院:受験資格を得るには、大学院修了後、1年以上の実務経験が必要。
【受験資格概要】
・第1種指定大学院を修了した者
・第2種指定大学院を修了し、修了後1年以上の心理臨床経験を有する者。
・臨床心理士学またはそれに準ずる心理臨床に関する分野を専攻する専門職大学院を修了した者
・諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴および必要な心理臨床経験2年以上を有する者
・医師免許取得者で、必要な心理臨床経験2年以上を有する者
など
就職状況、就職先について
臨床心理士の就職状況は芳しくありません。
最近は従業員の心のケアに力を入れる企業、団体も増加傾向にありますが、臨床心理士を正規で採用してくれるところはまだまだ少なく、十分な就職先を見つけるのは苦労が伴うでしょう。
また、雇用形態も非常勤などの不安定なものが多く、非常勤をいくつか掛け持ちして収入を確保している人も少なくありません。
臨床心理士を目指すならば、この現状を認識しておく必要があります。 求職に関しては、コネや一般的な求人、WEB等を利用して行うのが一般的。
大学院や研修会などのつながりから職場を紹介されることも少なくないようです。
◇心理系公務員(心理判定員など)
◇学校でのスクールカウンセラーなど各種教育相談機関
◇病院(精神科・小児科・心療内科など)・精神保健福祉センターなど
◇児童相談所
◇家庭裁判所や少年鑑別所、刑務所などの矯正施設。
◇企業内に設置された相談室など。
収入について
臨床心理士の採用では正規採用は少なく、非常勤採用が多くなっています。
安定した雇用形態で仕事ができれば最善ですが、非常勤採用が多くなるのは依頼を受けてカウンセリングを行う事の多い心理職の職業性質上、仕方のないものだといえます。
そのため、多くの臨床心理士は非常勤の仕事をいくつか掛け持つことによって生活ができるだけの収入を得ています。
※もちろん正規採用され、一般の人と変わらず普通に勤務している臨床心理士もたくさんいます。
臨床心理士に支払われる時間当たりの給与は1000円~3000円程度。
高額の場合だと5000円以上支払われることも。
平均年収にして300万円~500万円程度だといわれています。
臨床心理士会の調査によると半数以上が年収400万円以下。
更に、非常勤の場合は福利厚生は期待しにくく、自身で社会保険などに加入する必要があります。
また、契約が終了すれば仕事がなくなることもあり、不安定な収入状況は避けられないのが現実です。
臨床心理士の有力な就職先として、心理系の公務員と病院があります。
公務員として採用されれば安定した収入が期待できますが、倍率が高く簡単ではないのが現状です。
-更新13-05-01 -チェック15-05-01